ムー襲来イベント後篇 その01
ムー襲来イベント後篇 その01
イベント世界
──再開は、少女の目覚めと共に。
「……こ、こは?」
「! 姫様、御子様がお目覚めに!」
少女の視界に映るのは、ガラス越しのものではない、直に見える天井。
自身を示す呼び名、そして姫様という単語から状況を理解する。
「……そっか、失敗、したんだね」
「御子様……」
「ソレイユか……君が?」
「いえ、こちらの世界の方々です。私にできたのは、貴女をこうして休ませることだけ。そして、そのうえで……」
「……ふふっ、いいよ。アレは想定外、だったけど、やることは、受け入れて、たんだ」
「まさか、お兄様たちがあんなものを用意しているなんて……」
ソレイユ──ムー世界の王女は、異世界の者たちに自らの世界を救う助力を求め、自らの世界からこちらに渡ってきた。
だがそれは自力ではなく、ここで眠っていた少女の力に紛れ込む形で。
そして、その少女の力も彼女自身の限界を振り切った──無理やり引き出したもの。
姫君の兄たちもまた、世界を救うべく少女の力に目を付けた。
しかし穏便な方法は取らず、他の世界を制圧、隷属させるための戦力を伴う前提で。
ゆえにそれが可能な戦力を送れるよう、開発されたのが少女を封じていたカプセル。
少女自身の覚悟を踏み躙り、命を──■■■すらも削りながらそれは人々を運んだ。
「ううん、彼らも世界を、守るために動いたことに、変わりはない。今度は、君がどう動くか、だよ?」
「……こちらの世界には休人、おそらく伝承にある『星渡りの民』の方々が居ます。彼らであれば、御子様の力を極力抑えた形であちら側へ向かうことができるでしょう」
「…………少しでも、力が補給、できるよういにして、ほしいかな。その分だけ、少数を運んでみるよ」
「分かりました、そのようにお伝えします」
こうして、休人たちがムー世界へと向かう術は確立された。
だがそれは、少女しか知らない覚悟を秘めた方法で──
◆ □ ◆ □ ◆
ムー世界 首都ヒラニプラ
世界のすべてがたった一人に統べられた、太陽の世界。
その首都には王宮が存在し、人々はその威光と恩恵を受け続けている。
「──そうか……失敗したか」
「はっ、申し訳ございません! どうやらソレイユが我らを裏切り──」
「ふんっ、欺瞞は不要だ。あやつもまた、世界を救おうとしている……儂が、それを見間違うはずが無かろう」
「……では」
「鍵が向こうにある以上、あちらの者が今度は来るだろうな。当然、あやつの嘆願を聞き『闇』に対抗するため……精々利用してやればいい、そしてそれをどうするのか儂は関与せん……好きにせよ」
「はっ──【太陽帝】の御心のままに!」
二つの世界を股に掛け、休人たちは騒動に巻き込まれていく。
舞台はイベント世界からムー世界へ、挑むのは果たして人か、魔物か……。