ムー襲来イベント後篇 その02
ムー襲来イベント後篇 その02
イベントの後半戦が始まる。
当日は前回同様、映像と共に大まかな内容が開示された。
鍵であるムーの少女、そして姫君による休人たちの移送計画。
そして、向かうべきムー世界の統一者──【太陽帝】の意向。
何より重要なのは、今回の事件が起きる原因とも言える『闇』の存在。
俺はそれを九割がた予想出来ているが、出会うことが非常に稀な存在だったからな。
「……今なら滅亡世界に行って、ワールドクエストをある程度進めていれば確定で遭遇できたらしいけど。今は受注できないが」
《従来のゲームのように、誰もが同じ依頼を受けられるわけではございませんので。その珍しさから多くの休人たちが受注したため、現在では侵略者が出現しないクエストのみとなっていますね》
まあ、今はあの世界の進行度については置いておこう。
重要なのは、あの滅んだ世界に生き残っていた存在が外部に漏れ出ているということ。
それこそが『 侵略者 バシビウス 』と名付けられた、各持ちのアメーバのような生命体。
彼らは生存のため、黒い霧──瘴気にも似たナニカを外部に持ち込む。
他の生物に寄生し、その霧を生命力を引き換えに生成させ生き長らえる厄介な存在だ。
……そんな性質を持つからこそ、俺はそれこそが『闇』と呼ばれる存在だと思った。
「イベントの後半戦は、あの鍵の少女の所に行くと始められるんだよな?」
《はい。すでに[掲示板]に出た情報によると、方法は二通り存在するようです。一つは少数、ある程度資格を持つ者しか通ることのできない方法。そしてもう一方は、休人たちであれば誰でも通れるようにする方法です》
「……選別か? いやまあ、遺失世界には資格が必要らしいからな。それが前者か」
それを挙げるのであれば、【救星者】である俺はおそらくノーコストで行けるはず。
ある程度、な点から察するにやはり鍵の少女は無理をして送っているのだろう。
《そのようです。こちらは前半における獲得ポイントを消費することで渡航できます。そして後者はイベント世界とムー世界、双方から必要なモノを集め渡すことで、一時的なものですが『門』を形成するとのこと》
「かなりリスキーだな。先にムー世界に行って支払った分以上の稼げるなら、それもまた良しと思えるんだろうが。そういえば、その方法は誰でもいつでもできるのか?」
《ポイントに関わらず、タイミングが決められています。人数制限は無いようですが、それを逃すとまた次の機会まで少女は眠ってしまうようです》
「…………ふむ。なら、後者は? 必要な素材を全部集め切るまでは、何も変化は無いのか? たぶん、予想が正しいなら──」
《ご明察です。段階的に、鍵の少女の負担を減らすことができるという仕様です。これにより、必要なポイントの減少や回数の増加、その他いくつかの恩恵があるようです》
まさに、参加者全員でやるイベントって感じになっているわけだ。
そういうことなら、俺も動くとしよう──いいアイテムも出来上がっているからな。