ムー襲来イベント後篇 その04
ムー襲来イベント後篇 その04
こっそり潜入し、辿り着いた部屋で待っていたムー世界の鍵の少女。
本来は会えない時間だったのだが、どうやら【救星者】のお陰か迎え入れてくれた。
「申し訳ございません、このような姿で」
「……いや、それは大丈夫だよ。そうだ、いちおう回復に効くと思ってポーションを持ってきたよ。他の子……レムリアちゃんとパシフィスちゃんにも使えたから、たぶん効果はあると思う」
「ありがたく受け取ります……んんっ!?」
「二人に協力してもらって、君の現状の原因が枯渇にあると分かったからね。それを補給できる材料を集めて作ってみたよ」
「そ、そんな物が……本当に、ありがとうございます」
口調は鍵の少女たちに向けた優しいもの。
何やら俺の知る少女たちに比べ、いろいろと知っていることもできることも多そうな少女だが……そういった事柄は後回しだ。
枯渇しているもの、それは星の根源エネルギーである星命力。
星版のHPのようなそれを割き、休人たちに彼女は渡航権を与えていたのだ。
なのでそれを回復できるよう、用意したのが専用のポーション。
星脈付近で採取できる希少な素材……をこれでもかと注ぎ込んだ代物だ。
なお、人が使うと過剰回復で即死だ。
……一部の者だけは、とある力をブーストできるチート級アイテムでもあるけどな。
「これを、届けるために?」
「それも、だよ──これを。君なら、これが何なのか分かると思うけど……」
「! ……あの装置の」
「君の居たカプセルは解析できなかったんだけど、受信機の方は他の船にもあったからそれを調べたんだ。で、二人と調べて完成したのがこれ……端的に言えば、必要なコストを抑えられるようになったよ」
受け取る側のノイズとなる部分を、可能な限り排除した改良版となっている。
仕様的には必要条件の緩和、休人たちが渡航しやすくなった。
「ポーションは予備も含めて多めに用意しておいたから、一日ごとに苦しくなったら呑んでね……飲み過ぎると、向こう側にもバレるかもしれないから気を付けてね」
「はい…………そうだ、【救星者】様にも」
彼女が目を閉じて念じれば、俺に渡航権が付与されたとアナウンスが入る。
疲労した様子は……無い、やはり俺たちの予想は正しかったようだ。
「権利の付与は、もう少し難易度を上げた方が楽だったんじゃないかな?」
「ほとんどの方は、条件を最低限しか満たしていませんでしたので」
「……なんだか、同族たちがごめんね。また今度、話す時間が欲しいかな。知りたいことがあるんだ、大丈夫かい?」
「【救星者】様のご指名とあらば」
ともあれ、これで俺もムー世界へ行くことができるようになった。
中で活動するかはともかく、偵察はしておくべきだろう。