ムー襲来イベント後篇 その19
ムー襲来イベント後篇 その19
王宮からの脱出。
非公式ながら、現【太陽帝】を支援することを誓い一度[死に戻り]をすることに。
ムー世界は王族内で行われる、次代を選ぶための儀式──それは殺し合い。
同じ【太陽皇】同士で殺し合うと、互いのリソースを完全に得られるんだよな。
がまあ、結局のところ【太陽帝】が大半のリソースを持っているため、十全な状態であれば負けることは無いんだよな……俺はその十全を守る、それぐらいの支援だ。
「──さて、リトライだな」
『憑依に異常なし……万全です』
《ご武運を》
「ああ、やるとしよう」
前回と違い、今回はエクリに憑依したうえでの来訪。
……光属性のギーフではなく闇属性のエクリなのにも、きちんと理由があるからな。
「エクリには悪いけどな……すまん、この世界だと弱体化するのに」
『創者様のご意向に沿えるのであれば。ですが、私自身の力を……創者様の御業を知らしめることができないことは、残念に思えてしまいます』
「……本当にすまん。それでも、エクリの力ならこの世界でも闇の力が出せると分かっているからな。相手の属性も踏まえて、お前を選ばせてもらった」
太陽が常時空に浮かぶムー世界。
その恩恵が星の理によって強化されているここにおいて、闇という概念そのものが光によって弱体化させられる。
光が強いほど影も濃くなる、なんて言葉もあるがそれには限界が存在した。
過剰な光を前に、影は欠片も残らず消し去られてしまうからな。
「[カゲフミ]──“影蹂満”」
エクリであっても無から闇を生み出すためには、相応のコストが掛かる。
それをすべて賄うのは大変だ……ならば、外部からそれを補うだけ。
遺製具 レリック 『影踏吸[カゲフミ]』を使い、踏み締めた場所に影を生み出す。
ソレに特化したアイテムを使い、確保した影──闇を支配し、それを操る。
「“影鬼”、広めていけ」
『────』
遺製具の力で生み出す影分身。
その分身もまた、踏み締めた場所を自らの領域として侵食していく。
一度支配さえできれば、“万闇統一”の影響下に収め続けられる。
その維持には魔力が必要だが……エクリのスペックなら、しばらくは持つからな。
「休人たちの居る場所だけじゃない。イベントを盛り上げるためには、それなりの準備が必要だ──火遊び程度で近づかれないよう、徹底したアピールをしていこう」
こうして俺は、終盤戦の舞台に向かうまでひたすら影の領域を増やしていった。
他ならぬ【太陽帝】が止めない以上、誰にも知られないまま……事態は進行していく。