巧天の試練 その08
巧天の試練 その08
まだまだ解決すべき問題は見つかったが、一先ずは今回の試練内容である規格外のアイテムレシピを提出する──達成が認められると、空からメダルが降ってきた。
「『天賦の巧証』。これが、持っているだけで『巧天』の効果が使えるようになるチートアイテムか」
《試練達成おめでとうございます》
メダルにはハンマーとスパナが交差した紋章が刻まれ、それが『巧天』を意味しているのだろう……つまり、他の『天』もまた内容に応じたデザインのメダルなわけだ。
「オンオフの切り替えもできるみたいだし、これなら:DIY:とぶつかって発動できなくなるってこともなさそうだな」
《便利な効果ではございますが、常時機能しては困る場合もございますので》
「『闘天』とか『魔天』の防御無視か。加減したいのにオーバーキル、みたいな感じになりそうだよな」
ともあれ、試練は無事終了した。
あとはここから出るだけなのだが……少し気になることが。
「『SEBAS』、ここってまだいろいろと使えるか?」
《……試練を達成した時点で、オブジェクト呼び出しや時間加速機能は停止しています。ですが、強制追放などは無くそのままなので滞在自体は可能です》
「ちょっと、試しておこうか──メカドラ、来てくれ」
『ギャウ!』
次元の壁すら突き破り、どこからともなく現れた願望機が一体メカドラ。
些細な願いにより、弱体化した彼に俺はあることを試す。
「メカドラ、この剣をお前自身が使うことはできるか?」
『ギャウ、ギャウ……』
「ダメか。それは今の状態なら、か?」
『ギャウ!』
肯定、つまり俺がそれを望めばできる。
それはつまり、理論上願望機が無くとも同じことができる……ということでもあった。
「じゃあ、このドライバーを使うことは?」
『ギャウ、ギャウ……ギャウギャウ!』
「できなくはないが、効率が落ちると。マジで何を使ってるんだろうな」
《まさに未知の技術ですからね。部分的に模倣できた箇所だけで、『星生炉核』は設計されたわけですし》
「じゃあ、質問だ。お前がこれの代わりをして、この剣に力を注ぐ。それを俺が使えるようにすることはできるのか?」
『ギャウ!』
肯定……嗚呼、なんて恐ろしいことを。
規格外の更に上、埒外の存在たる願望機に常識なんて通用しない……『巧天』とかそもそも関係なく、やれちゃうってことか。
「そうか、そうか…………つまり、俺たちみたいに自分だけしか使えないように後続が何か仕込んでも、お前なら何とかできるってことだよな?」
『ギャウ!?』
「おおっ、頼もしいぞメカドラ! はっはっは! 俺がやってるんだから、他の連中も同じことぐらい考えるだろう、だがそれは暴かせてもらおう! それが嫌なら願望機を連れてくるんだな!」
『ギャ、ギャウ……』
俺もこれまで、売り出したアイテムには情報漏洩を防ぐ仕掛けを『プログレス』を駆使して仕込んできた……規格外系のレシピの場合は、まあ基礎なのでやっていないが。
もし後続の『巧天』が、俺のレシピを流用したなら……まあ、簡単に模倣可能だ。
だが、そうではない優秀な職人がまったく異なる技術を使うなら……参考にしよう。
その時のためのメカドラ、そして更なる隠し札メカトラ。
強制運用、そして封印解放というぶっ壊れスペックでごり押しだ!