RSプロジェクト開始 その01
RSプロジェクト開始 その01
アイスプル 偽装都市
「えー、本日はお集まりいただき誠にありがとうございます。それでは、さっそく本題に移らせていただきます」
『…………』
風兎と今後について話し合い、RSプログラムの使用や共通規格のメカ武器を決めたその翌日──俺はアイスプルに、客を招き入れていた。
「まずはこちら──RSプログラムと言いまして、『プログレス』に導入することでこれまでとはまったく異なる仕様を楽しむことができます。具体的に言うと、魔石による幅広い強化と固有種討伐による簒奪ですね」
「……ちょっと待て、それはいったいどういうことだ」
「ええ、いい質問です。他の方々も同じように思われていますね……お手元の資料をご覧ください。これらのシステムについて、ご説明を行います」
俺を除き、この場には6人が座っている。
誰も彼もが原人たちにとって、何らかの憧憬を抱かれるような存在
武力だけではない、そのカリスマや知力の証明によって多くの者を導いている。
そんな彼らにこそ、これからの変化を先んじて知ってもらうべく集まってもらった。
「──以上となります。まあ、お堅い説明はこの辺で終わるとして……本題に入りましょうか」
わざわざ資料まで用意して、風兎に行った以上の説明を済ませる。
質問などはしてこない、俺の本題を聞いてから判断するためだろう。
「こほんっ……さっきも説明した通り、これは休人だけのシステムになる。死亡リスクが高い点、加えて魔物の魔石を現状以上に使うことで起きる異常を調べ切れていないから。あくまでも、テストモデルだからな」
ここからは口調を変えて説明を行う。
本題というからには、本心を晒す方が分かりやすいからな。
本来の『プログレス』でも、魔石による作用は確認されている。
そちらについては『プログレス』が許容できるレベルに留め、制限を掛けておいた。
「たとえば魔獣、あれらは力を蓄え復活する機会を待っている。過剰な量の魔石、自らの力を宿す器、何度も使うことで馴染ませていき……乗っ取るなんて展開があってもおかしくはない」
うん、というか面白そうだから可能な風に仕込んではいる。
創作物でも定番、武器か自分に宿る相棒と共に戦うというのは男のロマンだからな。
「──はい、というわけでドーン!」
『…………』
天井から降りてくる幕、部屋の明かりが消えるとそこに映像が投影される。
映し出されるのはデモ映像、風兎と話した後にサクサクっと用意した物だ。
「RSプログラムは導入後、これまで使用してきた『プログレス』の擬似権能がいっさい使えなくなる。その分、最低限の能力を魔石で補いつつ、固有種を討伐してそのリソースで更に強化する……それが主な強化方法だ」
「だが、倒せない……いや、そもそも遭遇できない者も現れるだろう」
「当然だ。そうなれば、強くなるために取れる選択肢は限られていく──それでも探す、あるいは別の方法に切り替える」
本題が始まってからの第一質問者──『騎士王』の問いには、そう答える。
映像が切り替わり、映し出されるのは──機械仕掛けの防具と武器だ。