RSプロジェクト開始 その02
RSプロジェクト開始 その02
偽装都市に招いた数人に、RSプログラムに関する説明を行った。
それを終えた後は質問を受け──続ける形で、今度は機械仕掛けの防具と武器だ。
「──『プロットテクト』と『ロジカルウェポン』、これらは専用のエネルギーを基に稼働する機械仕掛けの武具だな。高い出力を誇る代わりに、いくつかの制限が掛かる。それでも、こんな風に……性能はある」
映し出される映像が切り替わり、巨大な魔物に人形が挑む姿が投影される。
彼らはそれまでの装備から切り替え、全身に機械仕掛けの防具を纏う。
同時に、その上から追加装甲が取り付けられ、重厚な機体が稼働を始める。
まあ、ある程度強い連中ならできることなので……追加で説明を行う。
「映像内の人形には、何ら細工を入れてないぞ。レベル0──職業やスキル、『プログレス』の影響も当然無い。能力値で言えばすべてが平均して10ぐらい、そういった存在でもあんな風に戦える」
「……それがあの装甲の力なのか。とはいえ稼働に何らかの制限はありそうだな、やはりそれは……」
興味津々といった様子で、質問とも独り言とも取れる内容を話すのは『機械皇』。
機械人形に命を、そして人と同じ力を……そういったことをやり続けてきたお方だ。
「上から纏ったのは、『ロジカルA』というパーツだな。アレには俺が開発した特殊な動力が搭載されていて、そこから生み出されるエネルギーを各武装へ供給、身体能力に関わらない性能を発揮する」
「……つまり、中身の有無は関係ないと」
「基本的にはそうなるな。ただまあ、それが可能な機体の準備が手間になるだろうが……ついでに言うと、強いヤツが使う意味もあんまり無いな。防具は全部交換してるし、着けている間は大半のスキル・能力は使えない」
そう、共通規格の場合はそうなった。
ドライバーから供給されるエネルギーが周りを循環しているからだろうか、そういう仕様になったんだよな。
つまり、体の外に放出する系のものはもちろんのこと、体内から身体を強化する能力なども使えなくなっている……共通規格版の方にも、陽石を少々入れた影響かもしれない。
機体自体に独自のステータスが存在し、装備者のモノは反映されない。
ただし、まったく関与しないということでもなく、操縦に関する分野では意味を成す。
「職業の内、【乗員】に関するものならば多少作用した。スキルでも、操縦なんかがそうだったな。他のものはうんともすんともしなかったが、それらだけは効果を発揮した」
「……君はそれについて、どういった見解を持っているのか聞かせてもらえるかい?」
この問いはローブに身を包む、知的な青年然とした──『理操の導き手』によるもの。
俺自身はほぼ接点など無かったが、今回の件に必要なので繋いでもらった。
魔導世界が誇る『八大星魔』が一人。
彼自身は魔技において、どの分野でも最強ではない……が魔技全体であれば、彼こそが最高の存在と知られている。
「そうだな、おそらくそういうコンセプトで生み出されたものだから、かな? もともと【乗員】は生物に乗る【騎手】系統と違い、神代の名残や遺跡からの出土品で出た機械に反応していた。そこが鍵だ」
「ふむ、続けて」
「スキル……は置いておくとして、職業のシステムには謎が多い。たとえば【科学者】、俺たち休人が来るまでその存在に気づかれなかった科学なのに、それを冠した職業だけは存在している」
まあ、そういう仕様だと言われればそれでおしまいなのだが。
だが特級職然り、手を加えることもいちおうできなくは無い職業のシステム。
独自性が存在しつつ、弄る前の基礎もまたあるわけで……『科学者』が存在しない世界でも、【科学者】の職業はある。
「つまり、【乗員】はそういった機体に乗り込むこともまた、想定されていた職業だったということ。だからこそ、仕様通りに機能しているに過ぎない……それが俺の仮説だ」
なお、初期レベルの【乗員】によって機能する補正は本当にごく僅かである。
どんな乗り物でも満遍なく作用する分、最低限乗れる……ぐらいなんだよなぁ。