RSプロジェクト開始 その04
RSプロジェクト開始 その04
RSプログラム、そしてドライバーを含めた機体などの販売。
それらは休人に安く売る予定……だが、あまり普及しない世界もあると思える。
武技や魔技が正常に機能しない以上、それらを理として組み込むような世界では、使われ無くなって当然……まあ、完全に不可能というわけでもないんだろうけど。
「──機体、そして武装を稼働させるためには専用のエネルギーが必要となる。これが武技と魔技、あとスキルや職業能力の発動阻害などをもたらす原因なんでしょう。ですが、現状ではこれ以上の物が確保できていない」
映像を切り替える。
映し出されるのは共通規格版のエテーテルドライバー、その内部。
「陽石、ムー世界より流通するようになった太陽の恩恵そのもの。これが無いと、長期的な稼働は不可能となっているからな」
「……だが、これは──」
「ああ、【太陽帝】と【太陽皇】にのみ、その生成が許された代物。その性質上、量産もできない……これまでは、少なくともそういう認識だったな」
「何か、見つけたんだね」
「ああ──擬似陽石、性能は陽石に遥かに劣るモノではあるんだが、光を取り込み爆発的なエネルギーを生み出すその性質を解析し、再現することに成功した」
共通規格、そして量産版としての開発をするに辺り問題となった陽石。
俺自身が扱う分だけ、あるいは身内が使う分だけなら確保も可能だ。
だが売り捌きばら撒くというのであれば、数に制限があるというのは問題となる。
なので何とかしたのだ、その性質だけを上手く再現できないか工夫を凝らし。
「これがその解決策──『陽鉱石』、そして『陰鉱石』だ。前者が陽石の性質を組み入れた鉱物で、光のある場所に置いておけば自然とドライバーにエネルギーを補給してくれるぞ。そして、もう一つの『陰鉱石』」
偶然の産物、というかある意味予期していた物でもある。
光を糧にする物があるなら、その逆だってあってもおかしくはない。
そのため、ちょっとズルい方法で調べてみた結果──見つかったのがこれだ。
陽石の性質が引っ繰り返り、真逆の性質を発露した。
「『陰鉱石』は光の当たらない場所で、同様にエネルギーを補給してくれる。これらを双方組み込むことで、エネルギーをどこでも仕込むことができるわけだ──さて、ここまでいかがでしたか、皇子様がた?」
「……再現、しただと? 我らが神祖の恩恵である陽石を!」
そう、イベント世界から招いていたこの場最後の招待客。
ムー世界からイベント世界に出向していた皇族たちもアイスプルに招いていた。
というか、陽石の再現の辺りであちらに一報入れていたんだ。
その結果、子供たちにその辺を言ってみた反応を教えてほしいと頼まれていた。
「いや、苦労したんだぞ? 新種の鉱石まで作ってさ、増やすことも成功した。量産体制に入るから、二人がその負担をする必要は無くなったわけだ。良かったな」
「……くっ、この──」
「こちらなりの配慮だ。勝手に作ったアイテムに、そっちが負担しなければいけない素材がある。それをしなくてもいいよう、新しい物を準備した……それだけだろう?」
なお、自分たちで作った陽石が使われることで、その消費の一部が特殊リソースとして溜まるということを、彼らは秘匿している。
皇子様的に、やるならやるでメリットがいちおうあったんだよな。
だがそれを俺が邪魔をした……こういう反応を【太陽帝】は見たかったのだろう。