RSプロジェクト開始 その09
RSプロジェクト開始 その09
現実
機人族との交流……は無しになった。
銀花に追加された交信機能で、各世界の機人族たちにレシピの送信ができるようになったので。
「……毎度のことながら、あの運営って逆に凄いよな?」
「ん?」
「いやほら、予め規約に書いてはあるんだけど、プレイヤーが独自に作ったシステムを普通に組み込んだりするだろう?」
「まあ、そうだな」
アレから数日が経過し、毎度のことながら拓真が集めてきた情報を聞く時間。
どうやら運営が何かしたようで、拓真は端末をチラつかせ運営の公式サイトを示す。
「…………おおっ」
「『プログレス』然り、影響が凄いぞ。さっそく機人族にアプローチを取ったり、転生したり、初期種族を決めただので[掲示板]は大盛り上がりだ」
掲載されているのは──俺が偉い人たちに見せた動画そのもの。
人形たちが共通規格ロジカルシリーズを扱い、カッコいい動きを魅せる映像。
「追加分もバッチリだな」
「…………何だよアレ、聞いてねぇぞ?」
「サプライズだ。反省を活かして、いろいろなオプションを用意したんだ。で、今映っているのがロジカルシリーズの外装二種類、動物型と図形型だ」
エテーテルドライバーを組み込み、その動力を武装へと回すための動力源。
共通規格ということで、様々な部分を作り替えた結果でもある。
「動物型は見ての通り、それ自体が単独で活動してアシストしてくれる。そっちの機能もある分、燃費が嵩むけどな。で、それが無い分長持ちするのが図形型。構造自体、かなりシンプルにしたから楽だったぞ」
「……で、これ全部が運営の手柄ってことになるんだが、お前はそれでいいのか?」
「細かいことはいろいろ引っかかるんだが、運営も全部パクったらさすがに揉めることぐらい分かってるんだぞ? つまり、それなりに利益は用意されている」
まあ、別にRMTを……とかそういうことではなく、強いて言うなら課金系だ。
一日ごと溜まるスタンプで、課金アイテムと交換できる仕組みとなっている。
本来は月額契約のものを、『プログレス』の時は一年分無料にしてもらえた。
……今回は半年分な辺り、評価別の対応な気はするけどな。
「まあ、あれらが基礎として使える機体だ。あとはレシピを参考に、自由に設計していくわけだ……個人で独自の技術を進化させ続けるも良し、力を合わせて新たな技術を生み出して売り捌くのだって別にいい」
「…………また何か細工してるのか?」
「そんなもんしてないさ。こっちの機械と同じこと、俺が用意したのはあくまで教科書。それを使ってどこまで発展させていくか、そこまで干渉しないさ」
一人ひとり発現内容が変わる仕様上、網羅しておくことが利となる『プログレス』とは違う。
下地だけ残し、あとは放置することでどのように変化していくかを楽しむ……それが共通規格版のロジカルシリーズに求めたもの。
すでに[掲示板]でも、初期の設計図から何ができるかを解析し、どんなことができるかを相談し合うスレができている……どうなるかは、俺も知らないお楽しみである。