新機プロジェクト その04
新機プロジェクト その04
アイスプル
とても忙しそうなタクマに依頼を断られたものの、今回の問題が休人たち主導で起きたことである……そう思えるような情報を手にすることができた。
「──つまり、メカ好きな連中は今回の共通規格の機械を見て大興奮。各世界でもいろいろとやってはいるが、何かが足りない……そこで一つの場所に集まって、力を合わせてみることになった、そういうことだな」
《そのようです。機人族たちはそれに協力、大きな何かを生み出したいという意思から彼らに同行しているようです》
「……だいたい、『機械皇』の単独トップで首位独走だもんな。あとは機械箱庭とか、そういう特殊な環境。彼ら自身だけのナニカが欲しかった、そういうことか」
得た情報については『騎士王』に送信済みなので、対処は考えてくれるだろう。
あくまで休人たちが主導、原人たちが現状に不満を覚えている……わけではない。
情報交換会、また交流会においてどこまで自分たちの情報を秘匿するかが問題だ。
各世界で培ってきたそれらは、そのすべてが機人族由来のものではない。
それぞれの世界であるからこそ、得ることができた知識や技術。
それを外部に放出するということは、利敵行為になりかねないのだ。
「その辺はどうなっているんだ?」
《──タクマ様から頂いたコードでスレの閲覧ができるようになりましたが……どうやら機人族たちも、そういった部分には注意を払うよう伝えているとのこと》
「なら良かった。創作物だと、うっかりだの話の流れだので暴露する場合があるからな。そこは上手くやってもらいたいよ」
さすがは情報屋、あの後少ししたら俺の下に例の情報がやり取りされている[掲示板]に入るためのコードが届いた。
いわゆる鍵スレ、それを知っている者でないと閲覧も許されない閉じた空間。
なぜそれを知っていたのかはともかく、お陰で俺もそこに入って情報を出している。
「──で、全部ぶっちゃけちゃって、本当に良かったのか?」
《彼らは旦那様のレシピを見て、その影響を受けております。主導権を得るのは難しいでしょうが、相談役という立場を勝ち得るには充分かと》
閲覧というか、コードを入力した時点で俺たちがそこに入ったことは割れていた。
なので『SEBAS』の案で、レシピ開発者として堂々と参加することに。
幸い、名前を明かさずどの世界を活動場所にしているかを書いているだけだったので、そこには『滅亡世界』と入力しておいた。
機人族が居ない場所で、密かにやってきたという設定のためだな。
まあ、今後機械工房みたいな場所を用意しておけば、それで誤魔化せるだろう。
最初は俺の登場に訝し気な反応を見せていた者たちも、公開していなかった共通規格のデータを開示すれば、掌を反すように俺を歓迎してくれた。
「あとは、いろいろと手を出していけばいいだろう……『騎士王』からも、そうするよう言われているしな」
情報を送ったあと、俺の現状も伝えたところ届いたのがそういった指示。
イベント世界へ赴き、彼らの目的を上手く誘導するように、とのことだ。