新機プロジェクト その06
新機プロジェクト その06
機人族たちを動かした、ロマン溢れる休人たちと共にイベント世界を訪れた。
目的はムー世界の王族たちが生み出す、無尽蔵のエネルギー源──陽石だ。
「混んでますね……目的は皆、いっしょということですか」
「先生の開発した共通規格エテーテルドライバー以外にも、様々な物に陽石が活用できることが分かりましたからね。陽鉱石が見つからない以上、ここで陽石を手に入れないとそれらの研究も進みません」
「そういえば先生、陽鉱石はどこで見つけた物なんですか?」
「秘密の採掘場で。ロジカルシリーズを使いこなせれば、いつか皆さんも辿り着くことができるかもしれませんね」
アイスプルに設けた採掘場型迷宮、そこから陽鉱石は無尽蔵に採れるようになった。
そして、その場所は偽装大陸内……あえてそちらに置き、注意を逸らす作戦だ。
ちょっと面倒な場所に置いてあるので、それこそ共通規格ロジカルシリーズを使って辿り着いてもらいたい。
そんな陽鉱石も注目された時期はあるが、出力的な観点で陽石に劣っているため、結局はあまり研究されることは無く、人々は陽石に希望を託している。
結果、王族二人が住まう居住区に貢献していくことで、報酬として陽石が貰えるというシステムが成立した。
一定の供給は約束されているものの、それらは星々に利益をもたらす者に与えられる。
その大半は原人へ、休人が手に入れたいのであれば自分で何とかする必要があった。
「前回のイベントのポイントをアイテムとして物質化し、反映できるんですよね? そのお陰で足りるわけですか」
「はい、船の修理には機械分野を得意とするのが俺たち『メカメカ団』ですので!」
──『メカメカ団』、それが彼らの所属するクラン名だ。
それぞれの世界を支部と定め、各世界で機械技術を発展させているらしい。
俺の共通規格ロジカルシリーズが、同時期に活動拠点に現れたこと。
それを引き金として、支部同士で結束して今回の出来事を行ったんだとか。
クランとして貯めたポイントで、今回数個の陽石を確保する予定の彼ら。
……が、まさかその前に長時間、待たされることになるとは思わなかっただろう。
「あの……先生は、どこかのクランに所属しているのでしょうか?」
「無所属ですよ。ここでは俗世から離れ、独り研究に没頭する……なんてことを、たまにしてみたいので」
「そうなると、俺たちが勧誘しても受けてはもらえませんか」
「申し訳ありません。ですが、完全に孤立しているわけではありませんので……今回のように、他の方々と力を合わせるのも、悪くはないと思いますよ」
今の俺は滅亡世界所属、ということになっている……しかしあそこはワールドクエストの進展が完全では無いからか、正式な形で所属ということはできない。
アイスプルもそうなので、俺やうちに住ませている犯罪者クランなどは無所属になっているんだよな……まあ、彼らについてはだいたいの星で指名手配されて強制無所属だが。
「……ただ、そうですね。今後、何か思いついたらお世話になるかもしれません。アイデアだけは浮かんでいるものなど、いくつかございまして」
「…………それは、どういったものなのか気になりますね」
「どれも試作はして、使えることは確認したうえで、コスト面や出力の面から開発を断念したものですね。レシピ自体は残しておりますので、この待ち時間を潰すのによければ見てみませんか?」
俺、そして『SEBAS』以外の新鮮な意見を求めてみるのもいいだろう。
そんな理由で確認してみれば……全員が期待の眼差しでこちらを見ていた。