新機プロジェクト その08
新機プロジェクト その08
待ち時間に機械のレシピを見せ、彼らの番となったらお開きにして見送る。
その後『SEBAS』と語ったのは、この世界を休人たちがどう捉えているのか。
ゲームでありプレイヤーだから好き放題できると考える者、ゲームであってもこの世界の者たちを尊重しようと考える者、この世界も現実世界と同様だと考える者。
なお、昔は居た一番目の考えの者たちだったが、今はかなり少なくなっている。
そりゃあ、自分たちを認めない存在を相手が認めるわけが無いよな。
「──先生、お待たせしました!」
「お疲れ様です……さて、例の物は手に入りましたか?」
「ええ。陽石を各支部で一つずつ、計五つを手に入れられました」
「それは良かった。皆さんの計画を実行するためには、複数個の陽石が必要でしたし、数は多いに越したことはありません」
共通規格のエテーテルドライバーが生み出すエネルギーでは、まったく足りないという彼らの目論見。
規格外版であれば違うだろうが、俺がその情報を開示することは無い。
素材が素材なだけに、教えたところで造ることができないからな。
「では先生、行きましょう。すでに他のメンバーも集合済みという連絡を受けています」
「ええ。案内をお願いします」
「はい──では、こちらに乗ってください」
そう言って、彼が[インベントリ]から取り出したのは──タイヤの無い軽トラ。
代わりに車体の下には装置が取り付けられていて、宙にプカプカと浮いている。
「反重力装置を搭載した軽トラです。いつもは[インベントリ]に仕舞えないアイテムなどの運搬に活用しています」
「……これは凄い。速度はどれほど?」
「あまり速く動かすと、装置の方が安定しなくて……時速は40kmほどですかね」
「デコボコした場所を通らなくていいのですから、それで充分でしょう。本当に、よくこのような物を作れましたね」
一からの手作り、ではないだろう。
かつて行われたコラボイベント、そのうちの一つ『ザ・ロード』。
そこで手に入れることのできたアイテムには、様々な乗り物の模型などがあった。
中身まで精巧に作られた代物なので、そこから得られる情報も多い。
加えて、運転をシミュレートできる装置なども存在するので、装置を組み込んだ軽トラが実際に動くかなどを確かめ、それから作り上げたと思われる。
さっそくこの場の面々が軽トラの荷台に。
俺は運転手である男と共に、席に座った。
……この世界では荷台への搭乗は、まだ犯罪ではないのでセーフってことで。
「えっと、これも先生のお陰なんです」
「私の、ですか?」
「はい。先生の共通規格ロジカルシリーズに搭載されている、あのホバー機構! もともと反重力装置だけでは動かすことができず、他の装置で牽引していたのですが……アレのお陰で今のようにスムーズに動かせます!」
「……ああ、この反重力装置は生産世界から輸入してきた物なんですね」
「! よくお分かりで。最近、裏で出回っている反重力装置。半信半疑で買ってみたのですがこれが大当たりで!」
目的地に着くまで、俺は彼とこの軽トラについての話をすることに。
……『忌創展概』、すでに予算集めに科学の超技術を売り捌くようになっていたか。