新機プロジェクト その09
新機プロジェクト その09
陽石を手に入れた『メカメカ団』。
彼らが用意した軽トラに乗り込み、新たな場所へと向かう。
反重力装置を組み込み、俺が共通規格ロジカルシリーズに入れたホバー機構が搭載されているこの軽トラについて、移動中に会話が盛り上がったよ。
「着きましたよ。ここが予定です」
「……何もありませんね」
「仕方ありません──海上ですし」
空飛ぶ軽トラは海をも渡り、辿り着いたのは水平線しかない海の上。
俺と運転手を務める休人が座って待っている間に、荷台側の休人たちが行動中だ。
「大陸の領土はすでに種族や星で取り決めがされていますからね。俺たちの目的を果たすためには、一から広い場所を確保しなければなりません」
「だからこそ、皆さんはここに来た」
「先生も見ていてください……始まります」
後方で展開される──共通規格ロジカルシリーズ。
彼らは図形型を身に纏い、荷台から離れ海上で何やら作業を始めだす。
「まず生産世界支部のトイザウルスが、基礎となる場所を創ります。彼は『トイポイボックス』という『プログレス』で、玩具として自分が認識できる物を仕舞えます。それをここで一気に放出します」
「……アレが、玩具ですか?」
海上に広がる大量の──残骸。
そのすべてに機械の部品という注釈は付けられるが、それでも子供が使って遊ぶような玩具とは似ても似つかない。
「あの人、昔から機械弄りが趣味だったみたいで。壊れた機械を玩具代わりに遊んでいたみたらしいです。『プログレス』の能力としては、それなら機械やゴーレムも対象なのでは? と認識したのだと思います」
「……無茶苦茶ですね」
「まあ、お陰様で普通は運べない量を持ち込むことができました。俺の『キャリーガレージ』などではできないことですね」
そう、話をして分かったのだが、どうやら彼は軽トラを[インベントリ]ではなく『プログレス』の展開する空間に収納していたらしい。
無機物の乗り物に限定したもので、代わりにそれなりの数を仕舞っておけるようだ。
魔石などの調整なども済んでいて、遠隔での収納や取り出しも可能なんだとか。
「『プログレス』の能力は、最初は同じでも最終的にはまったく異なるものになりますからね。私のモノはハズレに能力でしたので、諦めてRSプログラムに手を出してしまいましたが」
「……ああ、そういえばそういったものもありましたね。俺たちはロジカルシリーズにばかり目を向けていたので、何か関連性が無いかと調べた時以外は意識してませんでした」
「…………そ、そうですか」
RSプログラムは基本、現状に満足できない者たちが使うためのもの。
そりゃあこんだけ使いこなしている連中であれば、見向きもしないだろうよ。