新機プロジェクト その12
新機プロジェクト その12
どうやら、機人族たちによる今回の移動を知っていた『超越者』が居た。
人造大陸に使われている機械の残骸、それらは本来『機械皇』へ渡す物だったらしい。
「……魔物もだいぶ強くなってきましたね」
「まあ、大陸を一から造るからには相応の海域を潰すわけですし。それを邪魔する魔物、そんな魔物を喰らうために現れる魔物、騒がしさに釣られて現れる深海系の魔物など……特に最後のが一番ヤバいですよね?」
「深海の魔物はどれも強大か厄介……いかに死に戻りでレベルの高い休人でも、圧倒的火力や初見殺しの嵌め技で殺されることが多いらしいですね」
俺もかつて、『渡泳氣船』内で復活した古代の深海系魔物と戦ったことがある。
……真っ向から挑むと手間取るため、内部から一寸法師的に倒したんだよな。
「彼は……独りで大丈夫ですかね? かなりダメージを受けているようですが」
「ガンヴァリオンの『オートナノマトン』は修復機能にも長けていますので。万能性においては、ある意味代表の中で一番かもしれませんね」
「……その名称からだいたい分かりますよ」
同時に、『SEBAS』から送られてきた詳細な情報に唖然とする。
これまで聞いてきた『プログレス』には、何だかんだ理屈が通ってきた。
だがこれは違う、なぜなら魔力で出来たナノマシンを展開するという効果だから。
純粋な魔力でもなく、機械の要素を持っているわけでもない。
だが当人がソレを望んでいるため、機械の修理にも使えるナノマシンになっていた。
彼はアニメなどの知識から、戦闘以外の要素を処理してくれる存在を願ったのだ。
「本気を出した彼は、ナノマシンが修復できる限界ギリギリまで機体性能を出すことで戦闘を終わらせます。そもそも、武闘世界の中でも選りすぐりのメカファイターですしね。そういうルールですので」
「代表は一番強い者が務める、そういう決まりでしたね……深海のステータス暴力系の魔物でも殴り倒せるレベルでないと、代表になることはできないわけですか」
「各世界ごとに条件は違いますが、どこも何かに秀でた者が入れ替わりでやっていますからね。俺も魔導世界の中で、一番設計が得意だから選ばれましたし」
知っての通り、彼の『プログレス』はあくまで収納に特化したもの。
──それでもトップになれるのは、純粋に彼自身の能力ということだ。
他の支部長もそうして、秀でたナニカを証明できた猛者たちなのだ。
そうした連中が集い、成し遂げようとしているのが人造大陸建造計画。
「……大部分が構築されましたね。少なくとも、ガワは充分でしょう」
「はい。第一段階、襲ってくる魔物を排除しつつ土台となる場所を確保する。ここまでは順調です。ではこれより、第二段階──内部に動力源を設置、大陸を保護するため障壁を展開します!」
彼の言葉は俺以外のこの場の面々にも、休人の機能[ウィスパー]を通じて伝わっている──トイザウルスがソレを聞き、ナニカを『トイポイボックス』から出すのだった。