新機プロジェクト その16
新機プロジェクト その16
人造大陸建造計画、もっとも重要な要素であるエネルギー問題。
神器『万能手袋』と『SEBAS』の補助もあって、ついに稼働した極級動力炉。
「障壁完全展開、魔物の攻撃も問題なく防げているぞ!」
「エンジンも充填完了! いつでも動かせるようになった!」
「転移門、設置完了した! ただ、座標設定にもう少し掛かりそうだ!」
「──障壁を維持、エンジンを回してここから移動する! 転移門は……メカすけ、任せるぞ!」
「ああ、分かった!」
「トイザウルスは残骸をとにかく出して! ガンヴァリオンとメッカニクはそれを使えるようにしてみてくれ!」
「おう!」
「また無茶な……まあいいや、やってみる」
動力源が稼働した後も、彼らの活動は終わらない。
動くようになった人造大陸、これを運用できるようにしなければならない。
今は障壁が機能しているため、海中の魔物から襲われても大陸はノーダメージだ。
だがずっとその場に居るのは不味い、その判断もあってこの場から大陸を動かしたい。
なので彼らはそれをどうにかするために、各々ができることをやっている。
──このままここに放置、というなら最悪破壊される可能性もあるからな。
「先生は……どうされます、か?」
なお、俺は特に何も任せられていない。
もともと傍観者のつもりだったし、先ほどまで嵌めていた『万能手袋』も、あの時限りの奥の手ということにしてある。
そもそも俺が居なくともできるように予定立てをしてあるのだから、これは当然。
……が何もしないというのはつまらなく、かといって野放しにもされないだろう。
「少し、見学したいですね。ここでド・ライブさんが大陸を動かす様子を」
「分かりました。では、先生もこちらに居るということで」
「ドローンと人形はこのまま置いておきますので、使いたいのであれば言ってください。必要な個所を操作する、ぐらいであれば今でもできますので」
「ありがとうございます」
本来の仕様では、大陸は機械操作で自由に動かせるものだったらしい。
だが、それを可能にできていないため、今は人力で何とかしなければいけないようだ。
援軍を呼ぼうにも、転移門が繋がっていないため直接来なければならない。
……周りには魔物だらけなので、座標を繋げて来てもらうのが一番だ。
その間の時間稼ぎとして、運転手を務めていたド・ライブが操縦桿を握る。
他の部分はドローンと人形が担当し、微速ながらも大陸が動き出す。
「……まあ、一筋縄ではいきませんよね」
「先生?」
「このままですと、大陸が沈みます。外に出て、少しばかり交渉してきます……モニターの方を確認していてくださいね」
「!? わ、分かりました……」
予め設置されていた観測機が、もともとの大陸に居る者たちを捕捉していた。
今はまだ『見』に回っていたようだが、それも時間の問題だろう。
──最悪の事態となる前に、きちんと話を付けておかないと。