新機プロジェクト その20
新機プロジェクト その20
クラン『メカメカ団魔導世界支部』、そのリーダーであるド・ライブ。
彼はこの人造大陸の操縦を務め、自動運行に切り替えられた時点でこちらに来た。
招かれざる……否、招かざるを得ない存在たちの来訪。
各星々から、イベント世界を見守るために送られてきた『逸脱者』たち。
(先生……大丈夫なんだろうか?)
彼らは今、『先生』として振る舞うツクルによってもてなされている。
だが休人たちにとって、そういった展開はあまりにも想定外のモノだ。
(『逸脱者』はどの世界でも、危険なことをする休人たちに容赦しない……俺たちのことも、そう判断する可能性が高いってのは最初から分かっていた。なのに……どうして、俺たちを庇ってくれたんだろう?)
彼らにとって、ツクルはまさに機械技術で先を生きる『先生』そのもの。
彼が生み出した機械──共通規格ロジカルシリーズ、それこそがこの計画の始まり。
自分たちではない誰かが、あんなにも凄い物が造れるのならば。
機械に関する力を多く持つ自分たちで、より凄いことができるのではないか?
(──甘かった。機人族の説得をして、協力してもらうまでは良かった……だけど、あの忠告にそんな意味があったなんて!)
各世界ごと、方法は違えど言葉や想いをぶつけ合い、信頼を勝ち得た休人たち。
そんな彼らだからこそ、機人族たちもまたきちんと『忠告』をしている。
(『我らの枢は『機械皇』に非ず。総じず、ケイイも無く──魔の導キに抗え』。誰も意味は分からなかったけど、何かがあるっていうことはちゃんと分かっていた!)
それは機人族たちに、起き得たであろう出来事……その一つ。
そして、神代において阻止された──可能性を根絶すべく、未来に託された忠告。
休人たちにとって、それはただのイベントフラグに過ぎない。
条件は不明だが、気を付ければいい……それぐらいのものでしかなかった。
「──お、お待たせしまし……たって。あの先生、これはどういった状況で?」
そのツケこそ、現状。
原人たちの中でもトップクラスの実力者集団が、この地を見定めるためにやって来た。
そして今──彼らは先生にもてなされ、憩いの時間を過ごしている。
「おや、ド・ライブさん。連絡の方はもうできましたか」
「は、はい……あの、その机と椅子は」
「自立型反重力給仕セットです。ある程度自動で用意してくれますので、こうして私自身も着席できるんですよね」
「……えっと、その。機人族の方々が無事こちらに来たのですが……皆さんに、ご挨拶がしたいとのことで。こちらに招いても、大丈夫ですかね?」
どういった状況なのか、その問いには答えてもらえていない。
だが一つ、これだけは分かる──あの装置のレシピ、絶対に 交渉し てにいれ なければ。