LNCrawler

新機プロジェクト その29

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

新機プロジェクト その29

黒い渦が引いていく。

それはこの戦いの幕引きを、彼らの活動限界を意味していた。

『──チッ。時間切れか……次に来るまで、精々怯えて待つんだな!』

それは『侵略者』を撃退する生存圏の損失とも違う、修正力とも呼ぶべきもの。

──世界は彼の存在を否定し、強引に侵入してきたその系譜に連なる者たちを拒む。

いわゆる免疫だ。

異物であった彼らは、再び侵入する術を得るまでこの世界へ入れなくなる……仮初の平穏、それがこの戦いの報酬である。

「……終わった、のか?」

「ええ、これで終了です。いづれは、より強大な存在が……彼らの助力を得られない状態で現れるでしょう。その時、貴方がたはどうされますか?」

「先生……」

「技術を、知識を、そして力を……本来、レベルを上げれば強くなれる私たちのこの体、その利点を用いない機械の運用。貴方がたの選択は、EHOにおいて間違っている。それでも、進み続けますか?」

自分自身のレベルを上げれば、理論上誰でも最強になることができる。

原人には才能という限界があるものの、休人にはそれが無い。

だというのに、虚弱であることを定められた俺はともかく、きちんと成長できる彼らがソレをする必要は無い……そこには、正道から外れた寄り道のみ。

「──先生、俺たちは別に主人公になりたいわけじゃないんですよ」

「……」

「まあたしかに、ファンタジー世界にロボットを持ち込んでヒャッハーしたいヤツも居ます。でも、俺たちだけで凄い存在を倒したいわけじゃないんです。そういうのは、したいヤツがやればいいじゃないですか」

「そうですね」

EHO──EveryHolidayOnline──は、別に冒険を強要してない。

休人はこの世界にとって部外者、極論を言えば何もしなくたって困らないわけで。

それでも、[ログイン]する彼らには大なり小なりやりたいことがある。

彼らにとってそれは、機械に関わるナニカだった……そういうことなのだろう。

「だからアレですよ、今の俺たちにとって重要なのはあの露骨な『次』じゃない。『今』先生が装備している、その機械の方が優先すべきことなんです!」

「さっきのアレ、いったい仕組みは!?」「先生、送られてきたレシピなんですけどこの部分がちょっと……!」「なあ先生、絶対強いよな! 少し戦ってくれよ!」「見よ、このスライディングジャンピング土下座を!」

押しかけてくる『メカメカ団』、そしてそこに混ざっている機人族の原人たち。

彼らであれば、次は助力なんて必要ないかもしれない……そんな風に思うのだった。