異なるルール 中篇
異なるルール 中篇
どうやら『プログレス』は、いろんな意味で現実に干渉し得るものらしい。
最悪、訴えられる可能性すらあった……そこは『SEBAS』が何とかしてくれたが。
「ガチャ系の能力、それを製作会社以外でやるのって本当にヤバいな……創作物とかで、異世界に何かのゲームのデータを持ち込む作品を見たことがあるけど、少なくともVR系では無かったかもな」
《現状ではコラボが行われた作品、あるいは発現者が独自に権利を有するモノのみとなっています……旦那様、後者は我々も使うことができません》
「……いろんな意味でな」
具体的に言えば、原作者。
それはゲームではなくアニメ化もされた漫画らしいのだが、『プログレス』を経由して作品の世界観やらキャラを再現するらしい。
武器だけでなく、キャラたちの能力なども可能なんだとか。
……理論上は俺もインストール可能だが、まったく同じには絶対にならないんだよな。
「そういう権利が無い、というかある程度自由になっているものなんかが『プログレス』で再現されるって話は聞いたな……どういう決まりなんだっけ?」
《そうですね。長年プレイしたゲームのアイテムを、といった『プログレス』などもございます。ですがそれは、完全にソレを参考にするのではなく、効果や性能として近しいモノを『プログレス』の力で再現しています》
まあつまり、パク……じゃなくて参考にしたパチもんなだけ、ということだ。
発現者には申し訳ないが、それそのものを出すのはコラボ実現を待ってくれ。
「ゲームの適用……別世界の理、そういうのもあるんだよな」
《魔物をボール……ではなく、魔石を加工した球体に捕らえる、といった『プログレス』もございますね。捕獲や育成に絶大な補正が入る仕様となっております》
「本当にそれは大丈夫なのか!?」
《捕縛、育成、戦闘といった要素のみであれば、ゲームとして珍しくはありませんので。もちろん登場するキャラを無から生み出す、ということはできないでしょう》
……凄い電流を放つ黄色い鼠は育てることはできても、いきなりそんな存在が何も無い場所から現れるわけではない、と。
何だろう、これ以上は考えてはいけない気がしてくる。
そういう無茶ができないのも、ある種大衆認識による禁忌なのかもしれない。
「改めて調べてみると、いろいろとあるんだよな……ただ、生産的にはそういう過程を無視した生成ってどうなんだろうな」
《それらを好む者、結果だけを求める者などで似た『プログレス』であっても違いはございます。ですがその分、最終的に出来上がるアイテムの質などに変化がございます》
「まあ、『プログレス』も無制限にリソースが湧いてくるわけじゃないもんな。必要な部分は手動でやったりする方が、アイテム自体にリソースを使えるわけだ」
最終的に『プログレス』のレベルが上がれば違うだろうが、初期状態ではそういった差異が生まれる。
何をコストとするのか、素材なのかエネルギーなのか、それとも……時間なのか。
戦闘職と生産職など、求めるものの違いがその辺に作用するんだろうな。