死天の試練初回 その05
死天の試練初回 その05
少しずつ、対処が容易な死因から生まれた敵性ユニットを突破していく。
ただ、簡単なものが減れば残るのは当然面倒なものばかり……試練はまだ終わらない。
「重力は反重力で相殺、狂死は精神保護、薬殺は適量の毒物を摂取……本当にこれでいいか分からん対処法だが、対処は進んでるな」
不可視だったり初見では絶対に対処できないような死因も、[ログ]と無限リトライを繰り返していく中で少しずつ対処していく。
なお、この時に『死天』製のアイテムを使用してはいけないと学んでいる……死因が融合した、より面倒臭い敵性ユニットが現れてしまったからな。
「ただ、これもまだ簡単な方……謀殺に忙殺に断罪に成仏に。作るだけ作って実際に使用していなかったようなヤツは、本当に対処自体が難しい」
謀殺は策略による死、そのため敵性ユニットを複数動かして俺を殺しに来る。
忙殺は仕事が忙し過ぎること、ただしEHOの場合だと職業能力を暴走させての死だ。
断罪は読んで字の如く、星敵である俺は大罪人として裁きを下される
そして成仏……強制的に浄化されるこれについては、何をすれば防げるかが不明だ。
「…………もう、時間なんだよな。『SEBAS』、どれくらい減らしたか分かるか?」
《現在、1414体を処理しました。ですがれらは基本容易に対処できる敵性ユニットによるカウントです。問題は、確認できる敵性ユニットの数に変動が無いことです》
「つまり、補充された分の処理しかできていないわけだ。そもそも、そういう死に方をどれくらいしているのかが分からないのが問題なんだよな……アレだ、今まで食べたパンの数を覚えているか、みたいなヤツ」
《本日はここまでですね。情報を練り直し、再度挑戦しましょう》
「……この空間から出て、現実世界で一日経過しないと再挑戦できないんだよな。連続して時間加速するのも危ないし、その辺は仕方がないか」
息をするように死んでいる虚弱アバター。
人間が意識して呼吸をせずともできるように、俺もまたいちいち考えるまでもなく自動的に[死に戻り]後の再構築がされている。
大半の休人ではありえないような、死亡回数の果て──それが『死天』の座。
……全然嬉しくないけども、それがツクルとしての定めなんだよな。
だがそれも、いったんお開きだ。
当然ながら一騎当千もできず、一度につき一体が関の山な俺がここに来るまでに掛かった時間は相応のもの。
時間加速がされている空間だというのに、そうなるぐらいにこの作業が続いている。
いつ以来だろうか……そう、死神様の試練と同じくらいに長丁場になりそうだ。