三つの究極術式 後篇
三つの究極術式 後篇
まずは『仮創』の“究極術式”について、説明を受けた。
そして、『加装』の話に移ったのだが……どうやら、こちらも無制限ではないらしい。
「『愚者の石』はある意味無限だけど、まあ石自体のキャパシティとかはあるもんな」
幾つかの術式を小分けにし、保存出来ているチートアイテム『愚者の石』。
理想としては、『賢者の石』として、あらゆる術式の保存がしたいと思っている。
……が、世の中に無限とも言えるだけの術式を保存できるアイテムはそうそう無い。
ありそうだけども、少なくとも石ころ感覚で持ち運びできるモノでは無いだろう。
「俺たちの場合、『愚者の石』から読み込んだ術式を【救星者】と【試験職】で使えるようにしているわけだが……そう簡単にはいかないわけだ」
《はい。仕様上、『加装』による術式保存は魔力関連職内の固有キャパシティ内で行われるようです。これは【救星者】と【試験職】には備わっていないため、見合った枠の確保が必要となります》
「武技と魔技にはそういう縛りがあるんだったか……」
発動を宣言すれば、システムに則った形で物理法則を軽く超えちゃったりする『技』。
しかしながら、無尽蔵にそれらを蒐集して使えるかと言えばそうではない。
武技であれば戦闘職や武具系のスキル、魔技であれば魔力関連職や魔力系のスキル。
それらを有することで、システム的な許可が出てある程度の種類が解放されるのだ。
そして、一部条件付きの技などもスキルや職業のレベルを上げていき、上位版に進化させることなどで獲得できる……これらについては、まあ問題ない。
が、オリジナルで開発した『技』はもともと存在しなかったわけで。
何らかの形でシステムとの紐付けが行われない限り、その恩恵にはあやかれない。
そしてその方法こそ、先に挙げたモノの中へ組み込むという方法だ。
それぞれ入れられるものに制限はあるが、簡単なものならばそれなりに入れられる。
「……問題は、俺が就ける職業はどれも簡単なモノしか保存できない下級職ばかりってところなんだよな。まあ、『愚者の石』があれば使うこと自体はできるんだけど」
《幸い、キャパシティは条件さえ満たしていれば統合することが可能です。また、アイスプルの理によって少しずつ上級職を解放していけば、やがては充分な枠が集まります》
「『愚者の石』自体の改良ができない以上、そうするしかないか……例の神代魔道具、どうにかして真似できないかな?」
アルス・ナギマの本体、もとい術式そのものが記録されているという魔導世界の神代魔道具──ありとあらゆる魔技を網羅しているという、とんでもない代物。
その一端でも知ることができれば、現状の打破は可能かもしれない。
……まあ当然、そんな貴重な代物に手を出すには相応の代償が要りそうなんだけどな。