LNCrawler

術式組込中 中篇

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

術式組込中 中篇

アイテム『愚者の石』に入れていた術式を全部、職業能力内に組み込んでいる。

それを組み込める職業、つまり魔力運用系の職業について思いを馳せていた。

「魔動は魔力操作の発展型、魔装は装備に組み込んだ回路次第、魔術は……まあマジで多種多様だとして。魔法って、世界ごとに違いはあるのか?」

《ございます。やはり、世界ごとに魔法に求めるものが異なるからです。火力、干渉力、補助……求められる魔法はよりアップグレードが重ねられていき、もっとも扱われた術式がシステムに登録されます》

「一番優秀、効率のいい術式を残しておくものじゃないのか?」

《いえ。おそらくですが、進歩を求めての仕様でしょう。効率を求める、火力を求める、あるいはそれ以外を……時代ごとに異なるであろうその主流を調べる、そういった目的があるのかもしれません》

職業能力に記録された魔法、それはかなり初歩的なもの。

資格さえあれば唱えるだけで誰でも使える代わりに、様々な意味で改良の余地がある。

俺たちの場合、術式を軽量化して新たに術式を加えているが、時代によっては一つの術式に更に改良を加え、強化していた可能性もあるわけだ。

「……でもそうか。他の世界から来た奴が、その世界の術式で無双したからって、急にそれを世界全体で反映させたら大変なのか」

《そういった一面もあるでしょう。世界ごとに平均的な魔力量や就職率の高い職業も違うため、急激な変化による世界への影響を抑える。世界全体で扱われるような術式だったならば、自然と誰もが使うでしょうし》

「だよなー。前に見せてもらった各世界での術式サンプル、[掲示板]でもその辺はネタになってたよな」

いわゆる集合知、休人たちの中にはやはり魔力云々を探求したい者は多い。

そうした連中が[掲示板]に集い、情報を共有したことで分かったことがある。

たとえば魔法“魔弾”。

その名の通り魔力の弾丸を生み出す術式だが、世界ごとに若干の違いが存在した。

要はパラメーターの割り振り、そしてそのために各世界ごと行ってであろう改変だ。

より速く展開を、より凄まじい火力を、より安定した制御を……そんな風に。

そういった変化が何も無い、【魔法師】の職業能力内に登録されたソレと比較し、明らかに世界ごと求められる方向性に合わせ術式に手を加えていた。

日本語で言えば、ひらがなのみで書かれていた文章を、漢字に変換したり句読点を入れているようなイメージ。

区切って安定化、また漢字にして軽量化、文字を短くして高速化など多岐に渡る。

……『SEBAS』の場合、プログラミング言語を織り交ぜている感じで全強化だ。

「なんだっけ、全部を漢字にするとそれはそれで扱いづらくなるし、かといって句読点ばかり付けると容量が嵩む。だから要所要所を弄るけど、元の状態から変わり果て過ぎても分かってもらえなくなる、だったか」

まあ、それでも少しずつ術式が改変されていき、今に至るわけなのだが。

誰も彼もが理解しているわけではない、それでも唱えれば使える……それが魔法だ。