死天の試練数十回目 その03
死天の試練数十回目 その03
唐突に行われた試練内容の一部更新。
それにより、突破数を増やせる強化敵性ユニットが追加できるように……当然、これまでの戦い方が通用しなくなるんだけどな。
「じゃあ、こっちも──“絡繰強糸”」
支援系の職業能力で、【人形師】が獲得できるソレは人形の性能を一時的に強化可能。
これを“職業強化”によって高め、通常以上に性能を高められる。
「そして──“魔力流動”」
こちらは【魔操士】の基礎も基礎、就職と同時に獲得できる初期能力。
内容も魔力を扱う者なら容易にできる、魔力操作に対する補正。
それもまた、“職業強化”によって本来以上の性能を発揮。
糸を通じて人形たち──魔力で編まれた存在を操作し、更なる力をもたらす。
「“千変宝珠”、これも“魔力流動”……よし、行ってこい」
《支援します》
アイスプルでのレベリングは、主に人形たちが担当していた。
何度もやっているため、俺自身が操作することも稀にある(暇なので)。
なので初動ぐらいはどうにかできたが、そこはすぐに『SEBAS』と交代。
自動で滑らかな動きをするようになった人形から目を離し、UI画面に集中する。
そこにはこれまで展開したすべての術式、その現状が記されていた。
俺はそれを見ながら、随時必要なことをこなしてく。
「魔力に意思を乗せる、それで動かせるのがこの世界の【人形師】……それでも、複数操作できるのは凄いよな」
《DEX値及びINT値が高ければ、仮想脳による補助が行えますので。理論上、魔力さえ足りれば何体でも同時に動かせます》
「片方を満たせていても、どうにかならないわけだな……少なくとも俺の場合は」
現に『SEBAS』が器用に操れているのだから、そこは才能の問題だ。
操るためのDEX値はあるので、頑張ればできなくもない……ぐらいか。
「さて、人形は……おっと、そろそろか──“千変宝珠”」
不器用でもできること、それは数値化してもらった術式の残量魔力を見ながら尽きる前に更新していくこと。
人形を形成する“万形代”、それらを彩る“千変宝珠”。
たった二つなのだが、それらを同時に展開しているので総量としてはそれなりにある。
触れられれば即死な敵性ユニットが相手なので、『SEBAS』はそちらへの対処に追われている……少しでもその負担を軽くするため、俺がその役目を志望したわけだ。
「数は順調に減っているみたいだが、その分消耗も激しくなっているな……」
《回避を優先しなければならないため、操縦も少々大げさになっています。少しずつ修正していきますので、もうしばらくお待ちいただければ》
「いや、俺も頑張るから気にするな。なんせまだ十体分だし……そう簡単には終わらないだろうからな」
それから数分もすれば、『SEBAS』が最適な動きで人形を動かせるようになり、そのまま倒せるようになった──しばらくは、このまま十体分の強化ユニットかな?