死天の試練数十回目 その15
死天の試練数十回目 その15
現実
ある提案を奏上した。
それは『SEBAS』が提案した堅実的なものとは真逆の、しかしやってみたいと思えるようなアイデア。
今回の死天の試練で、山場を越えた。
……だからだろう、その瞬間を思えば思うほど強く願ってしまう。
「と、いうわけで。父さん、難易度を上げて試練に挑むことになりました」
『…………ハァ』
「溜め息!?」
後日談、というか新たな戦いへの接続話。
試練の映像を交え、家族に俺のアイデアについて話したところ……総スカンである。
「だって──残った全部を一つに纏めて戦いたいって……子供なの?」
「ぐふっ!」
「それに、他のルールも全部撤廃して、倒せたらクリアにするって……なんかこう、いろいろ台無しだと思う」
「がはっ!」
子供たちからの辛辣な言葉はごもっとも。
ただこれを考えた時の俺は、それがとても意味のあることだと思っていたし……今なおやってみたいなぁと感じていたりする。
「いいじゃない、面白そうだわ!」
「! そう、そう言ってもらえると思ったんだ! やっぱりこう、クライマックスは一味違う方がいいと思ったんだ!」
「そうよね、やっぱりラスボスとの激戦は見物だわ!」
「瑠璃!」
「アナタ!」
「「──ヒシッ!」」
「「…………ハァ」」
抱き合う俺たち、溜め息を吐く子供たち。
俺と瑠璃が何だかんだ暴走して、巻き込まれることが多いもんな……事の発端は翔の場合が多いが、俺たちも悪乗りしてしまう。
もちろん、子供たちが安全な場合だけ。
そのうえで、俺が思ったことを口にしてしまい、それを聞いた瑠璃が…………なんてこともあったな。
「で、父さん。本当に大丈夫なの? 物凄く強くなるんでしょう? これを観てると、無理な気が……」
「運営側も調整してくれているみたいだし、大丈夫じゃないか? たしか、『闘天』とか『魔天』用の戦闘プログラムを流用してくれるとか言ってたな」
「…………なんで、お父さんの意見が簡単に通るんだろう?」
「あー、そういう契約だからな。運営側で問題が無い限り、ある程度意見を通してもらえる。『プログレス』とかRSシリーズとかの権利関連で、そういうことになったんだ。父さんを優遇しているわけじゃない、と思う」
なお、交渉の場はEHO内。
GMの権限で用意された隔離空間で、その辺の内容をお偉い様を交えてやったりした。
そこには『SEBAS』も居て、俺はほぼ見ているだけ。
交渉上手な『SEBAS』のお陰で、イイ感じに纏められたんだよな。
「ただまあ、準備期間の方がな……無かった仕様を一からやらなきゃいけない分、待ってほしいって言われちゃったからな。見ての通り──『カミングスーン』だ」
ちょうど試練の映像も終わった。
百体分でも苦戦した敵性ユニット、それが残った全部を束ねたらどうなるか……今から楽しみでしょうがない!