神様談 後篇(33)
神様談 後篇(33)
確立世界、それは総称であり証。
無数に存在する世界の中でも、ある条件を満たした……満たすことができた世界のみに与えられる称号のようなもの。
「僕たちや他の神話の神なんかは、その確立世界で信仰されている神だ。だけど、生物の祈りの数だけ神族が生まれる余地がある……この果てしない星々に、祈りを捧げられる存在が他に居ないと思うかい?」
「それが、知らない世界だと。ツクルが訪れた遺失世界のようなものか」
「いや、そうじゃない。だってその存在は君も知っていただろう? ツクル君たちが理解できるような説明をするなら、今も生きている生物ともう絶滅した生物ぐらいの違いだ。それでも、生きていたと知られている」
「…………つまりそうではない、知られずに絶えるような世界が存在すると」
コクリと頷く■■■。
死神──そして多くの神族にとって、未知の世界。
それは確立世界や遺失世界と比べ、遥かに生物が生きることが困難な世界。
──それゆえに試練に挑むことすらなく、終わってしまった世界でもある。
「『泡沫世界』、泡のように消えちゃうからそういう名前らしいよ。で、そんな世界には面白い星の理がたくさんあるんだ。その中に君が気にしていた、不死みたいな世界も昔はあったってことさ」
「今はどうなっているのだ」
「こればかりは分からないね。今の僕に、かつての力も地位も無い。ただ覚えていた内容について、他の子にも教えているだけさ。割れてしまったか、あるいは存在しているか。神のみぞ、いや星のみぞ知る真実だよ」
ただ環境が過酷な世界だけではない、中には生物が生き続けられない世界もある。
不死が溢れる世界もそう……かつて、その世界に未来というものは存在しなかった。
「まあ、話を最初に戻そう。休人みたいな存在は居た、それは星渡りの民だけでなくある世界全体に。だからこそ、[称号]にはその世界特有のモノがあったし、今まで知られずに忘れ去られていた……それだけだよ」
「泡沫世界。■■■、他にもそういった世界は存在するのか?」
「昔はあったよ。例えば……そう、食べ物に満ち溢れた世界。人々は未知なる味を求めて探求し続けたけど──試練の前座で躓いて失敗しちゃってたよ」
「理由は?」
「さて、なんでだろうね。そこまではあの頃は気にしてなかったから分からないや」
「チッ」
「えっ、舌打ち!?」
ともあれ、死神は聞きたいことを聞き終えた──ならば足止めは不要だろう、すでに部屋の外で待っている神々と共に、■■■を仕置きするとしよう。