死天の真試練 その03
死天の真試練 その03
見慣れてきた試練の会場で待ち受けていたのは、禍々しいオーラを放つ超強化版の敵性ユニットだった。
そのオーラこそが、複数の『死天』謹製アイテムの要素を取り込み、最大限に強化された証なのだと『SEBAS』と話し合う。
「まずはご挨拶だ──『世界平和』」
《音声識別完了──収納時空解放、取り出しが可能となります》
「弾けろ、『恒星能爆弾』」
それはかつて、『騎士王』の全力を引き出した強力過ぎる爆弾。
太陽の如き熱量を生み出し、世界を終わらせられる代物。
展開場所を敵性ユニットの遥か先へ指定。
阻止もし難く、そのうえで被害を受けるのはあちらからという状況へ。
「……おい、マジか。受けるつもりか?」
だが敵性ユニットは爆弾が姿を現しても、その場から動くことは無かった。
行動を取った時点で結界は解除され、俺を攻撃することもできる。
それでも、禍々しいオーラのみが揺れ動き敵性ユニットは動かない。
そうこうしている内に爆弾が──世界は瞬時にリセットされた。
「で、どうなった?」
《旦那様、あちらをご覧ください》
「…………変わらないかぁ。そうかー、そのレベルのヤバさなのか」
多少の死亡後活動効果が使えるようになって、死なば諸共の特攻が可能となった。
だからこその『恒星能爆弾』、初見殺しの不意打ちである。
自分たちで生成した、堅固な結界で多少の 時間稼ぎを えんめいは したはずだ。
その間に多少なりともダメージを受け、今後に活かせる……そう思っていたのに。
眼前に居る敵性ユニットに、目立った変化は見受けられなかった。
強いて言えば、混沌としていたオーラが赤一色になっている……ぐらいか。
「まあ、間違いなくそれだな。つまり、あのオーラ次第で無効化できるって理解していたわけだ。本当にヤバいな、アレ」
《爆弾の熱量を無力化したのか、あるいは制御に組み込んだ術式の属性が……すぐに解析します》
「頼む。最強の敵を望んだんだ、ギミックの一つや二つぐらいあって当然だよな。大規模な自爆技で即終了なんてあるわけないし、もう少し試してみるか」
左手で[インベントリ]を操作、伸ばした右手の先に現れる槍を握り締める。
アイテムの名は『核爆槍』、穂先から核エネルギーをぶっ放す超危険な代物。
相手が相手なため、こういった物も躊躇なく選び使用していく。
結界が解除され、双方がもう一方を攻撃できるようになる。
《ッ! ──“乱雑転移”代行!》
「んぐっ!?」
どうやら先ほどはお試しだったのか、今回は行動に移った敵性ユニット。
俺ではまったく分からない動き、それを観測できた『SEBAS』による緊急回避。
ランダムな座標へ飛ぶ転移術式が発動すると、俺の視界が切り替わった。
すぐに今いる場所を把握し、自分がいた場所がどうなっているかを観る。
──そこにあったのは阿鼻叫喚の地獄、敵性ユニットが放つオーラと同じ色の、混沌とした死が広がっていた。