死天の真試練 その09
死天の真試練 その09
色彩を広げ、事象を生み出す。
それが『プログレス:カラフルペイント』の効果……混ざれば混ざるほど、色彩の豊かさのように異なる効果を発揮する。
「……はずだったんだが、封殺が速い」
ここからお披露目だ、と言いたかった。
しかしながら、さすがは最強の敵性ユニット──周囲に死のオーラを展開、そして物質化することで黒色に染め上げる。
上から絵の具として魔力をばら撒いても、死のオーラに蝕まれすぐに無力化。
自身の魔力で染めないと意味が無いため、残念ながらここで出番終了となった。
「ならば、“神持祈──」
『────』
「……はダメみたいだな。準備に数秒掛かるその時間だけで、またリセットされそうだ」
幸いにして、残された『死天』製のアイテムに職業能力やアイテムへの特効品は無い。
徹底して潰したお陰で、それを封じられるということだけは防げた。
しかし、無いなら無いで……と言わんばかりの敵性ユニット。
絵の具を覆っている死のオーラが動き、棘のような形状となって俺に向けられている。
隙を見て更新するつもりだが、それをさせないよう動いていることを忘れない。
──だからこそ、[インベントリ]を用いた『抜刀』が真価を発揮する。
「──バンッ!」
最大火力を、ということで準備していた玩具の銃。
選択する属性は光、弾丸では無く光線が飛ぶモードで即座に射出。
それを防ぐため、敵性ユニットは再び死のオーラを操作──俺を貫いた。
気休め程度の結界は一瞬で破壊され、状況は再びリセットされる。
「まあ、そりゃそうだけどさ……全部リセットされるから、こっちの方が手っ取り早いっちゃ手っ取り早いよな」
飛んでくる光線(激ヤバ)の処理と、光線銃を撃とうとする使用者(虚弱)の処理。
どちらかの対処でいいならば、後者の方が明らかに楽だろう。
飛んでいった光線銃は、命中する直前で俺が死ぬことで標的を失った。
リセットには座標情報も含まれており、敵性ユニットの立ち位置が変わったからだ。
「……絵の具も死のオーラもリセットされたわけだが、向こうの総量って減ったのか?」
《旦那様が干渉した結果として、失われたモノ以外は元に戻ります。絵の具が付着して切り離されたものは消費に含まれますが、周囲に散布されたモノは還元されました》
「そう上手くはいかないか……回復薬とかばら撒いたら、消したりできないかな?」
《難しいかと》
「だよな……」
その辺はすでに、『死天』製のアイテムに振りかけて実験済み。
ポーションっていろいろ万能だし、その極致である蘇生薬なら……とやっている。
残念ながら、良い結果は出なかった。
あと、今回の敵性ユニットが放つ死のオーラは膨大な数のそれらの複合体……どうにもならないだろうな。