死天の真試練 その14
死天の真試練 その14
切り札を次々と開示していく。
願望機が一機、メカトラの力によって一時的に『SEBAS』の出力を強化し、全力でサポートしてもらう。
『────』
「っ、“ 防構 ガード ”!」
結界を出た瞬間、敵性ユニットは全方位に死のオーラをばら撒いた。
俺は『懲戒亀甲』を構え武技を発動、正しい姿勢で放たれた攻撃に備える。
すでに見せているので、死の因果による干渉が通らないことは相手も把握済み。
盾に当たらないようオーラを操作、周囲からの攻撃に切り替え──消滅する。
《『剣矢』、“ 一連補射 ガトリングショット ”を起動します》
《『飛武』、“エアリアルファイト”を起動します》
《【神風兵】、“ 決死必敵 デッドロック ”及び“死機供存”を起動します》
それを行ったのは、鏡の指輪を嵌めた影法師たち。
簒奪と複製のイレギュラー、【魔王】の肉体に置換された俺の体。
複製し、簒奪した権能をストックし、他者の『プログレス』も再現できてしまう。
その絡繰りの一つは、逸脱した連中と比べても異様なまでに拡張されたキャパシティ。
俺が『魔王の取腕』で権能を再現できていたのも、当人がそれをできるため。
最上位職だろうと星の権能だろうと、複数収めてもなお余りある文字通りの懐の広さ。
《旦那様、準備できました》
「ああ、助かる──“界樹統誕”」
足元に植える一株の苗。
手間の掛かる術式の構築を『SEBAS』が行い、『愚者の石』では行えないカスタマイズ版の起動を実行。
植えたのは世界樹の苗……を遺伝子レベルで改造し、様々な要素を組み込んだもの。
その中には『死天』の力も含まれており、さらに取り込めるような仕様となっている。
要するに、生長の養分として死の因果を用いることができるという代物。
さすがは世界樹……なんて、出来た当初は思っていたが──即禁忌扱いだった。
《『既創展概』、権能展開。禁忌への抵触を無効化します》
それを堂々と使うのは、今はそれをグレーながら押し通せる状況にしたから。
苗は初動のみ俺の魔力を吸い、以降は死の因果を──オーラを取り込み伸びていく。
そして、俺もその樹に乗って上空へ。
死のオーラを吸って量を減らしつつ、俺をこの場から遠ざけ安全を確保……真っ向から勝負する? いや、これ無理ゲーだし。
「まあ、当然追いかけてくるよな……ただ、追い付くかな?」
《『極拳』、“戦歴軌績”を起動します》
《『真海の主』、“真海支配”及び『神秘の海』を起動します》
《【獣王】、“総応獣臨”及び『ビーストオーブ』を起動します》
次々と力を解放し、俺目掛けて飛んでくる死のオーラを潰していく影法師たち。
その間も俺はどんどん上へ──地上が見えなくなるほどに、どこまでも。