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アンヤク 中篇(21)

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

アンヤク 中篇(21)

冒険世界 魔王城

「──【倣慢魔王】、か」

それは星からの通達。

特定の職業に就く者だけに、その中でも条件を満たした者だけが聞くことができる唯一無二の証。

星の名を冠する、概念の名を冠する、あるいはその特異さを冠する言葉。

そしてそれは、その名に相応しい力をも担い手に授ける。

「──とはよく言ったものだ。元よりできたことに枷を設ける、話に聞いた通りか」

玉座に座るその男は、多くの者が望む星からの通達に対し忌々しそうに呟く。

それは取り決められたもの、星と【魔王】との間に結ばれた星約の有り方だった。

「摸倣、再現、それらの付与……その大半が元より我のできることではないか。だがそれらがシステムとして登録され、それ以上できなくなるようになった……良いことなど何一つない、そう思わぬか?」

「──成長性があるのではー?」

「無い。コストとして、その成長性を喰らうようだ。ここまで露骨だと、いっそのこと愉快だ。ははははっ!」

「それは~良かったですね~、うふふふ~」

玉座の男、そして共に笑い合う女性も決して表情は愉快と呼べるものではない。

何してくれてんだ、知らなかったし知らされてないんです──そう裏に含み、笑う。

彼女──【冒険賢者】は約定に基づき、その旨について話すためここを訪れた。

先の件、イベント世界での出来事もあり本来の予定を早めての出来事である。

「さて、我はこれから冒険世界の従順な犬を演じねばいかなくなったわけだが……何か、命ずることはあるか?」

「ふふふ~、しませんよ~。したが最後、いえ最期になりますからね~」

「『超越者』の権能簒奪、領土の拡張、そして【倣慢魔王】の能力を用いぬこと。それを対価とした不戦、及び休人に対する無法。星約を違えぬ限り、我はそれを守るとも」

それらはこの場の者たち、そして冒険世界にとって意味のあるもの……ではない。

この約定はそれ以外の、他世界に対して示す【倣慢魔王】への首輪。

星敵【傾界魔王】、【魔王】の地位と星敵の双方を持つ彼女の存在。

イレギュラーな【魔王】である彼女が居るからこそ、【倣慢魔王】も疑われたのだ。

「本当に助かりました~。『生者』さんと関わりのある貴方ですので~、同じように振る舞われると危なかったので~」

かつて、『超越者:生者』は収容された監獄の中で星敵と化した。

その手引きをしたのは【傾界魔王】、特異さを有するイレギュラーな存在。

種類は違えど危険性は同じ、権能や今では擬似権能『プログレス』をも模倣し、万能に近しいことが可能な【倣慢魔王】を、他世界はそう捉えたのだ。