改人創象 中篇
改人創象 中篇
冒険世界 始まりの街
──“改人創象”。
俺が開発したその術式は、魔力と想念を糧に非常にコスパの良いモブ怪人を生み出す。
抽出する想念を選ぶことで、その性質を弄れる……なんて仕様も搭載してある。
この術式はすでに非合法クラン『AAA』やその傘下となっているクランに配布済み。
少数精鋭で彼らの犯行を防ごうとする正義の味方に対し、挙って使っているようだ。
「──さて、何か言いたいことはあるか?」
「……お早いですね」
それから数日後、俺は『騎士王』に呼び出されいつもの場所へ。
今回は揉め事案件だったようで、王としての風格を漂わせての登場だ。
「貴公であろう? 手の込んだ細工はよく出来たものだが、それゆえに特定も容易い」
彼女は才という才に恵まれた、生まれながらの超人のような存在。
冒険世界の理のみで、魔導世界級の術式を我流で編み出せるぐらいには。
そんなぶっ壊れな彼女から、いくつか譲り受けた術式もまた、今回のモブ怪人生産術式の一部に組み込まれている……偽装工作はしたが、どうやら見抜かれてしまったようだ。
「直接的な被害は無いようだが、こちらの者もそれらを観測している。当然、悪用などいくらでもできる……すでに問題を引き起こす集団の手に渡っているようだがな」
「ははは……」
「不法侵入の件数が一気に増えたそうだ。罠など捕らえようにも、そこには誰も居らず魔力の痕跡だけが残る。そして、その検出が非常に困難だという。既存に無い、禁忌に近しいものが用いられているようだな」
「……はは」
「──貴公は、何を狙っている?」
実のところ、ノリと:DIY:任せなので大したことは考えていない。
……のだが、『SEBAS』曰くできることはいろいろあるとのこと。
「元『錬金王』さん、彼女は私にとって恩人です。錬金術も教わりましたし、私にできないことをサポートしてもらってもいます」
「続けろ」
「そんな彼女を蝕んだ禁忌、アレには条件がありますよね? 禁忌そのものは私と協力者で調べていましたが、今回の術式にはその試運転も兼ねさせてもらいました」
「……そういうことか」
おそらく辿り着いたであろう解は、俺が教わった内容と一致している。
禁忌は想念の集合体、中でも忌避感などから生まれるモノが実体を持った存在。
では、実態とは何なのか。
そこはどうでもいい──実体を実体として捉えるために必要な物は何なのか、そこに俺たちは目を付けた。
結論から言おう、“改人創象”は禁忌をリソースとして一部流用している。
創作物なら暴走待ったなし、最後は破滅間違いなしの無限エネルギー論だ。