機械精霊 後篇
機械精霊 後篇
機械精霊であるマキ、その存在はある種特異なもの。
誰も教えていないのに知っている情報、それはおそらくマザーとの取引によるものだ。
前例は『SEBAS』、彼の場合は知り得た情報は教えてくれるのだが。
それまで細々と掻い摘むように拾い上げた情報を、一気に掬えるようになったらしい。
「ごほんっ。話を纏めますよ。今、流行りとなっている特撮関連の再現。その辺は私が広げた術式による、モブ怪人の量産ができるようになったからです」
「これまでは自分たちで演じるか、魔物で妥協するしかありませんですからね。最近は同規格の怪人が大量に出てくるって、大盛り上がりでしたよ」
「まあ、いづれは落ち着くでしょう。現状ではモブ怪人しか作れませんし、巨大化させたり強力な個体を高速で作ることも困難です。相応に時間を掛け準備する、組織ごとにその辺のすり合わせがあるでしょうから」
「……最近受けた大きな依頼だと、巨大ロボに合体機構を付けて造ってほしいというモノがありましたよ。先生なら、可能ですか?」
「それならマキさんの方が……ああいえ、何でもありません。私でも難しいでしょう」
おおっと、物凄い目を向けてくるな。
神代の、それも案役街の知識は電脳関連が多いからな……マキにはそれらを与えて、解析して蓄えている。
「……マキ?」
『ご期待には沿えませんよ。私の知識って、どこか抜けてるんです。まるで、意図的に選別されたみたいに。先生、どういうことか分かりますか?』
「まあ、否定はしませんよ。ただ、抜けた部分がすべて埋まっていないというわけでは無いと思いますが?」
「……それを私たちが請け負うわけですか」
ド・ライブの言う通り。
神代の知識をそのまま与え、再現させても発展性に乏しくなってしまう。
そこで、現実の創作知識との融合を期待して、先のような情報の渡し方をした。
実際上手くいっているらしいからな、本来とは異なる発展の仕方をしている。
「先生は、マキをどうしたいのですか?」
「私はただ、求められた情報に関するヒントのみ教えているつもりです。それこそ、先生としてね。マキさんが何を求め、そしてその先に何を目指すのか……共に考えるのは、皆さんの役割ですよ」
「……いや、いっしょに考えてほしいんですけど。先生の影響、受けてるんですから」
「…………ははっ」
「いや誤魔化せないですからね!?」
うちには『SEBAS』が居るので、もうこれ以上はキャパオーバーなんだよ。
申し訳ないが、そちらはそちらで育ててくれると助かります。