第二回コラボイベント前篇 その07
第二回コラボイベント前篇 その07
イベント世界 コラボエリア
風兎がトップオタ、という一時の夢を勝ち得たところでアイラブコラボは中断。
景品交換に必要なスコアは稼いだので、後は抽選に当選することを祈るくらいだ。
「さて、次は……どっちかだな」
風兎の顔を立て、最初はアイラブとのコラボを選んだが……俺個人として選びたかったのは、やはりまだ体験していないレトロゲー二作品のどちらか。
「こういう時は集合知だな。もう情報はある程度で回っているし──『SEBAS』」
《畏まりました。RPG『ファンタジークエスト』、こちらはゲームの仕様通りかEHOの仕様、どちらかを選び最終決戦に挑むというものです》
「ふむ……えっと、ゲーム版の方は操縦する感じか? コントローラーで」
《いえ、今回のために一からデザインされた魔王城に、勇者パーティーを模したアバターで突入します。ただし、戦闘が得意で無い者たちのため、各種コマンドによる自動戦闘と行動選択時の時間停止がございます》
…………なんかこう、凄過ぎん?
話を聞くだけでも、それだけで一つのゲームができそうな予感……EHOだからできたこと、なのか?
「その辺は製作会社同士で話し合ってもらうとして……コラボ版は?」
《アバターは自前のものを。しかし、目的が設定されておりません。魔王を討伐し姫を救も良し、魔王に成り代わり新たな魔王として勇者を待ち受けるもよし。魔王城に配置されたコラボ限定アイテムを探すも良し、です》
「とりあえず最後のは確定でやるとして。一先ずは、ゲーム版をやってみるかな? もうその気になっているから、『インベードガーディアン』についてはもう少し情報を集めておいてくれ」
《では、そのように》
子供の頃、傘を剣に見立てて振り回したことがあるだろうか? ──俺はある。
そんなことをしたのは他でもない、剣と魔法のゲームに心躍らせていたからだ。
そして今、その憧憬をこの手に──この身に体現することができる時が来た。
……何ならアバターは用意されたもので、スペックが充分というところもイイ!
「ええいもう我慢できん、じゃあ行くぞ!」
七つのタイトル画面の内、『ファンタジークエスト』のものである初代パッケージイラスト+α(休人であろうシルエット付き)なものを選び突入。
この日、俺は勇者となった──
◆ □ ◆ □ ◆
コラボエリア ファンタジークエスト
「…………また死んだ」
「──おお、ツクルよ。死んでしまうとは何事だ!」
そして、いつもとほとんど変わらず死にまくっている。
最初は感動し、今ではもう飽きるほどに聞いた神父の言葉を再び聞き、上を見上げた。
そこには暗雲立ち込め雷鳴轟く魔王城。
溜め息を一つ零し、攻略に向けて再び足を踏み入れるのだった。