第二回コラボイベント前篇 その09
第二回コラボイベント前篇 その09
コラボエリア ファンタジークエスト
勇者アバターでの魔王城攻略は、失敗に終わった。
カンストしたレベルであっても、道中で死に戻りを繰り返していたからな。
「……30以降も後半になったら解放されるみたいだし、それを待つのが一番か」
初代ファンタジークエストには、リメイク版が存在している。
その辺も鑑みてか、後半戦になればそちらも踏襲した仕様になるらしい。
レベルも99まで上がるので、俺みたいなヤツでも頑張ればなんとかなるかもしれん。
……何なら初代では無かった、パーティープレイもできるようになるらしいけども。
「でもこっちなら──自前アバター操作なら話は別! 今のままでも突破してやる!」
事前情報によると、一度目のクリアについては個別での挑戦となるらしい。
クリア条件は複数存在し、どれかを満たすことでマルチサーバーが解放される。
これも複数存在し、目的に合わせて他の休人たちと遊ぶことができるとのこと。
……俺が魔王で子供たちが勇者、なんて遊びもできるわけだな。
「とはいえ……差が酷い」
たとえば魔物が現れた場合。
勇者アバターの場合、物理攻撃を選んでも上手くいかないので魔法で遠距離攻撃……時折物理攻撃を挟みどうにか倒す。
だが普段のアバターであれば、体力を気にせずガンガン行けばそのうち倒せる。
ゲーム版と違いターン制で、相手も反撃してくるのだが……それでも死なないので。
結果、チクチクダメージを与え続ければ魔物を倒したことになる。
何度死んでも蘇ってくる勇者、その極致みたいな場所に俺という存在は居るわけだ。
「装備系のアイテムは共有にしてくれているみたいだし、宝箱から目ぼしいヤツは掻き集めておかないと。この辺も救済措置なのか」
《すでにマップは完成させております。ルート案内を開始しますか?》
「YESで……マジで助かるよ」
何より、先ほどまではサポートから外れていた『SEBAS』が居た。
これが何よりも助かる、今も視界に有志が完成させたコラボ版の地図を見せてくれる。
大まかな地形情報は家庭用ゲーム機だった頃と変わらないらしいが、やはり実際にアバターを動かせるということもあり、所々に手が加えられているらしい。
特にコラボ版だと、勇者パワー的なモノがないため難易度が上がる(設定)。
勇者が無視して突破できていた罠などが作動して、牙を向いてくるとのこと。
……俺も何度か踏んでいるが、そのすべてが『超越生者』により無力化されている。
ダメージが入る系は無駄、状態異常も一度死ねばリセットされるので対処可能。
問題は……そう、こういうのだな。
足元が光り、俺をどこかへと誘う。
転移トラップの類い、『騎士王』関連で使われたことがあるのでよく知っている。
本来なら当時と同様、不可に耐えられずそのまま死に戻って済んでいただろう。
だがこれは お約束 ゲームルール という一種の理──ルールに従い、俺は転移された。