第二回コラボイベント前篇 その10
第二回コラボイベント前篇 その10
EHO版のファンタジークエストコラボ。
本来のものよりもハードに、勇者で無い者が魔王城に挑むことの困難さをその身に味わうことになった。
しかしながら、勇者のアバターと違い星敵である『超越生者』さんはほぼ不死。
情けなく死んでも神父の下へ運ばれることなく、その場で復帰して魔物を倒していく。
……そんな権能でも抗えないもの、それは世界の法則──ゲームルール。
転移罠を踏んだ俺は、その強制力によってどこかへと飛ばされた。
「とはいえ、狙っての移動だから別にいいんだけどさ。逆に言うと勇者って罠をほとんど無力化できるんだよな、凄いな」
だがタダでは終わらない、すでに有志の皆さんが転移先の特定を終わらせていたのだ。
俺たちはその情報を掬い上げ、最適なルートを進むためにあえて罠を踏んだわけだな。
転移罠によるショートカット、それはアイテム回収を最適化するための方法。
勇者アバターでは転移罠のある場所に立っても反応しないため、行うことができない。
《旦那様、補足情報ですが……何でも転移罠でのみ向かうことのできるエリアに、裏話のようなものを載せたアイテムがある、とのことです》
「裏話……本かな? ファンクエは本としていろいろと情報を漏らしてくれるし」
《そのようですね。[掲示板]ではその詳細は明かされておらず、また投稿しようとしても削除されています。なので求められる場合は、旦那様ご自身でご確認していただくことになります》
「……凄く見たいな。まあでも、あの制作会社ならやりかねんのか?」
ネタをよく入れ込むことで有名な会社だ。
今回のコラボにもそれを織り込んでいる、と言われても何ら不思議ではない。
《転移罠を複数回、特定の順序で踏むことで辿り着くことができるようです。現在はアイテム回収のみを前提とした最適ルートでしたが……終了後にそちらへ向かえるよう、ルートの変更をしますか?》
「ああ、そうしてくれ──やる気も高まってきたし、そろそろこいつらを倒そうかな?」
転移罠で踏み込んだ先、そこは魔物たちが取り囲むいわゆるモンスターハウス。
初代版はエンカウント式で一列に並んでいたが、EHO版は3Dだ。
勇者アバターの際は勇者パワーなのか不意打ちなども無く一列での登場だったが、罠など同様にEHOのアバターには魔物たちは容赦なく袋叩きもしてくるらしい。
まあ、それはそれで結構。
武器は医療メス型の神器[モルメス]。
複数の敵に対応するように、指の間に大量のメスを挟み込み構えを取る。
勇者君と違い、アバターならばどんな物でも武器として使うことが可能。
……魔法が使えない休人でも、武器次第でどうにかなったりする仕様らしい。
「『SEBAS』、やってくれ」
《畏まりました──『偽・武神プログラム』起動します》
体を『SEBAS』に委ね、魔物たちとの戦闘開始。
数分もしない内に、魔王城に配置される高レベルの魔物たちを殲滅するのだった。