第二回コラボイベント前篇 その11
第二回コラボイベント前篇 その11
ファンクエ 魔王城 隠しエリア
勇者アバターでは訪れることのできない場所に、隠された 秘密の情報 うらばなし 。
アイテム回収と同時にそちらも見たいということで、少々ルートに変更を加えた。
従来のゲーム仕様と違い、横一列かつ2Dな戦闘ではない。
3Dかつ全方位戦闘な今、『SEBAS』により比較的容易に突破することができる。
「……ふぅ、読めて良かった」
転移する先々で魔物に囲われ、その都度自動戦闘で危機を乗り越えた先。
一冊の本と宝箱が置かれた部屋にて、俺は読書を終えて一息吐く。
初代ファンクエコラボ開催に当たり、開発陣で起きたアレやコレや。
特に魔王城の完全再現やコラボ仕様に関する話は、大変興味深かった。
「まさか可能かどうかを試すために、開発陣がテスターをやっていたとは……『プログレス』の発現者って、もしかして──」
《お調べになりますか?》
「……止めておこう。『プログレス』についても言及してくれてたな、尊敬する作品の開発陣に褒めてもらえたのは嬉しかったな」
EHOを実際にやって、コラボ内容を決めていたらしい開発陣たち。
特にEHOでも特別とされている『プログレス』についても、言及されていた。
そして、その辺も加味してこのコラボエリアを作ったと記してあったんだよな。
……妙にファンクエ仕様のアイテムが多いのって、もしかしてそういうことかな?
「擦り合わせの面でマザーAIと激しい討論があったって内容は特に面白かった……記録の方はできたか?」
《失敗しました。ですが、交換できるアイテムリストが一つ解放されました。内容はそのまま、この本となっています》
「確定で交換だな。見たからもういいとか、そういうことじゃないし。ぜひとも蔵書の中に入れておきたい」
本に関する職業なんかもあるし、わざわざ交換させてくれるのにも意味があるだろう。
……という回りくどい言い訳はともかく、コレクションしたいから手に入れておこう。
「さて、今度は宝箱だな。中身について、本に何も書いてなかったんだよな……いちおう確認するけど、罠の類いは?」
《問題ございません》
「なら開けますか──よいしょっ」
それは赤い宝箱、ゲームの仕様としても鍵が掛かっていない代物。
これが黒色とか緑色とかだったら、もっと疑っていたんだけどな……。
ともあれ、箱の中身をチェック。
そこには──翼を模したアイテムが置かれていた。
「『キマイラの翼』か……初代だとたしか、帰還用のアイテムだよな?」
《はい。仕様上初期エリアでのみ行う作業が多く、それらを行うために戻るための消費アイテムとなります》
「ただ、コラボの勇者アバターは呪文で同じことがもうできる。付け加えると、そもそも城からの脱出なら別の呪文とアイテムだし。つまり意味はないんだが……そういうこと、なのか?」
《ここを訪れずとも問題なく、あくまでおまけ要素ということでしょう。こちらも旦那様が開けたと同時に、交換リストに追加されました》
今回は無用の産物だ。
しかし、同時に思う……転移アイテム、普通にEHOでも希少なんだよな、と。