第二回コラボイベント後篇 その11
第二回コラボイベント後篇 その11
三体の怪物を倒し、魔王と戦っていた風兎と合流。
それぞれ役割を分担し、俺も遊撃役として行動することに。
「──“万物闇換”」
「──“万物光換”!」
『『ストームスーツ』、再展開』
エクリとギーフの周りが、黒と白に塗り潰される。
風兎が纏っていた風が、いったん消滅しより強大な形で展開された。
魔王は表面上、何もせずにただこちらを見ているだけ。
むしろ何もしない俺の行動を、待ち望んでいるかのようだ。
「──“千変宝珠・万能ノ乙女”」
選ぶのは術式を仕込んだ魔力の取り込み。
北欧神話の戦乙女たちの戦闘データの内、俺と契約を行っている戦乙女──アインヒルドのモノを自分の体で再現可能にする。
それこそ、擬・武神流や偽・武神プログラムのように。
これの場合、“千変宝珠”と結びついているからこそできることがある。
「……もうよいのか? まだやることがあるなら早く済ませるがよい」
「このまま待っていただけるなら、貴方を殺し得る強力な武器も用意できますよ?」
「それは興味深い……が、どうやらそう長くも居られないのだろう? そろそろ始めるとしよう」
魔王側も、この擬似レイドの仕組みをある程度理解しているらしい。
制限時間について指摘すると、玉座から立ち上がりバフを一気に展開する。
「我を討った貴様に加え、神獣の血族や妙な人形も楽しめそうだ……さぁ、存分に振る舞うが良い!」
『もういいな? ──行くぞ!』
先陣を切った風兎、風はいよいよ強風を超え名前の通り嵐を纏う。
乱気流を乗りこなし、縦横無尽に空間を駆け巡り魔王を翻弄する。
「二人とも、頼みましたよ」
「はい」
「お任せください!」
ギーフは光に状態異常を付与し、魔王に通用するかを試していく。
毒、睡眠、麻痺……といったものから、固有種の持つ特殊なものまで。
エクリは風兎とギーフを狙う、魔王の攻撃に対して闇を迎撃させる。
ギーフが状態異常を、彼女の場合はそこに魔力の霧散を組み込み魔王の魔法を散らす。
「よし、俺も──“至行”」
向かった瞬間、飛んでくる無数の魔法。
それを──その手に握る風の刃で払い、さらに前へ進む。
その次は雷の槍で、また次は岩の鎚。
氷の剣、炎の盾……魔法がもたらす効果と相反する属性を的確に選び抜き、魔法の核を突き無力化していく。
これまた、俺自身は何もしていない。
こっそり発動した“術式鑑破”から、無力化に必要な情報を解析──アインヒルドの膨大な戦闘データが適切な行動を取っている。
その精度は“至行”によって補強され、もしもの可能性を削ぐ。
想定外の事態、それそのものは三人が尽力し抑え込んでくれる。
「これは……! なかなかやるではないか、あの時の理不尽な終わりとは違うな!」
「ご満足いただけたようで。であれば、このまま私どもに勝利の余韻もいただけるよう、努めさせていただきます」
「くくくっ、言うではないか。ならば、勝ち取ってみせるが良い!」
これまで以上に展開される魔法。
出力は劣っていない、数も質も一気に上げてきた。
『…………おい』
「三人とも、頑張りましょうね!」
余計なことを言って煽るな、そう訴えてくる風兎は華麗にスルー。
いやいや、いろいろと理由があるんだ……魔王はまだ隠している、逆転の一手をな。
それは俺を覚えているからこそのものか、それともゲームでは使われなかったものか。
ともあれ──大変興味があるんだ、ぜひとも見せてほしい!