第二回コラボイベント後篇 その13
第二回コラボイベント後篇 その13
──魔臓活性。
ギーフが仕込み、魔王へと付与したバフ。
魔力が増大し、その回復速度も向上するという効果なのだが……そこには代償が。
使えば使うほど、魔力を生み出す器官である魔臓へと負担が掛かる。
それは生命力へのダメージという形として出力され、解除されるまで継続的に。
「……解除は、できぬか」
「それゆえの仕込みですので」
魔法に長けた(設定の)魔王なので、普通にバフやデバフを使うだけでは解除される。
だからこそのギーフ、彼女に組み込まれた人造固有種の能力はバフの強制付与。
そこに手を加えた結果が、『コレクトキャプチャー』による多種多様なバフの獲得。
ありとあらゆる、術式由来のものだけでなく固有種の特異なものすらも蒐集した。
魔臓活性という状態そのものは、術式でも職業能力でも発現し得る。
だが魔王に強制付与したソレは、言うなれば魔臓活性LvEX。
生み出した魔物を掛け合わせ、固有種に非ずともそれに特化した個体の製作。
ほんの一瞬、爆発的な魔力の増大を可能とする代わりに、即座に死ぬ魔物を作った。
「魔力は充分にあるじゃないですか。さぁ、思う存分振る舞ってください」
「癪に障る……が、間違いではないか。これほど滾る感覚はいつ以来だろうか」
おそらく、魔王にシステム的な生命力の設定は存在しない。
無限の生命力、減ることの無い燃料を燃やし続け魔力は膨れ上がっていく。
その分だけスコアは稼げているだろうが、魔王の強さも生存が困難なレベルに。
展開する魔法の数と出力、魔王自体の能力など……次々と強化されていく。
『…………おい、どうするんだ』
「いえ、特にプランは無いですよ? とにかく生き延びます」
『…………もう知らん』
そう言うと風兎は、エクリとギーフを嵐の衣で包み部屋の隅の方へ移動。
魔王はそれを──追わない、むしろ魔法の照準が俺にのみ向けられるようになった。
「……あ、あれー?」
「良い仲間だな。我との決着を邪魔せぬように配慮してくれるとは」
「そ、そんな配慮は要らないかなーと思うんですけど…………ダメみたいですね」
「喜べ、勇者にも見せられないであろう我が秘奥。貴様如きに振る舞ってやる」
「わ、わーい。や、やったー……あの、魔法についてゆっくりお話ししましょう? えっと、十分ぐらい」
返答は──言うまでも無く。
ファンクエでも最上級の攻撃魔法、を何十倍にも強化したような魔法を何十発分も。
それらを一気に放たれながら、俺はどうにか生き延びようと足掻くのだった。