第二回コラボイベント後篇 その14
第二回コラボイベント後篇 その14
アイスプル
魔王がパワーアップし、風兎たちは『見』に回った。
……無限の生命力から溢れ出す膨大な魔力と強大な魔法に、俺独りで対処することに。
「…………死ぬかと思った」
『ふんっ、死んでいないではないか』
「滅茶苦茶死んでるんだが? いいものを見せてもらったとは思うけどさ」
魔王の魔法はさすがというべきか、小細工程度あっさり潰して俺を殺しまくった。
なお、その際『SEBAS』には解析に徹してもらったため、死亡数はかなりのもの。
それでも、魔王による蘇生封じは成功することなく、時間切れで擬似レイドは終了。
忌々し気にこちらを睨む魔王に挨拶をし、一度アイスプルへと帰還した。
「蘇生封じ、かなりヤバかったらしいぞ。死に戻り以外だとほぼ機能したらしいし」
『……大丈夫なのか?』
「ギーフがコピーしてくれたから、俺以外が受けた場合の検証が始まってる。通常の蘇生魔法と蘇生薬、あと一部の聖職者系統の職業で可能な時間差蘇生なんかは全滅らしい」
『改めて貴様の理不尽さを感じるな』
休人がどこでどういった状態で死んだとしても、安全地帯で復活可能な[死に戻り]。
俺の権能『超越生者』は、それをどこでも行うことができる。
昔は別途アイテムを組み合わせていたが、星敵になってその辺も変わったんだよな。
ともあれ俺は死亡時、安全地帯かその場での[死に戻り]かを選択できる。
当然、再構築された際は体も新品。
受けていたデバフなどもすべて無かったことになり、相手だけが消耗した状態で再戦することができるのだ。
「俺以外の誰かが使えば、もっと凄いことができるのかもしれないけどな……うーん、使いようはいくらでもあるよな?」
『それはそうだろう……が、貴様も悪用はしていないのだ。悪党の手に渡るよりは、貴様のような者に渡って良かったと思うがな』
「……そういうものかねぇ?」
まあ、拓真から聞いたヤバいPKの中に、そういった不死性を見せるヤツが居た。
原理は『プログレス』によるもので、ほぼやっていることは俺と同じ。
向こうにはコストが掛かり、俺は把握している限りそれが無い。
……そう考えると、有限で留まっているのもある意味俺のお陰……かな?
「って、そもそもが『生者』だしな。そもそも発現するヤツが稀有か」
『死神様から賜ったと言っていたな』
「そうそう、お陰様で虚弱な俺でもお前さんの森まで遊びに行けるようになったわけ……懐かしいな、あの森」
『…………』
風兎まで遠い目をしているや。
複雑な心境なんだろうな、バイオ(臭い)テロをした俺と風兎が邂逅し、『生者』の権能を振りかざし贖罪を強行突破。
その果てに森ごと住民たちをアイスプルへと誘致し、今は住民たちもやりたいように過ごせている…………たまにはっちゃけて、困らされてもいるみたいだが。
「風兎、それでどうする?」
『どうするとは?』
「いやほら、コラボイベントの後半も始まったばかりだからな。俺は全部のコラボを巡るつもりだし、また魔王にも挑んだりする。住民たちにも何か手伝ってもらいたいんだが、その辺……どう思う?」
『? 愚問だな、アイラブコラボには参加するのだ。住民たちも前回のコラボで得られたアイテムを見て、興味を持った者がいる。そうした者たちが望んでいるのであれば、連れていっても構わんだろう』
「あ、ああ……そうだな」
アイラブコラボの後半の内容は確認しているが、参加するのが当たり前みたいな発言をしている風兎……うーん、ガチ!