第二回コラボイベント後篇 その17
第二回コラボイベント後篇 その17
大変申し訳ございません。
予約が上手くいっておりませんでした。
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レース……レース? の真っ最中。
一部の者は真面目に進もうとするのだが、それよりも単純な解決策──周りを蹴落とし独走(他は脱落)、というのが今のブーム。
一周目をスタートダッシュに成功して躱した俺と[ラヴィンド]だが、妨害特化な参加者たちはスタート地点で今か今かと俺たちを待ち受けている。
「というわけで、技を使ってほしい」
『キュッ!』
敏捷系という定義に収められた[ラヴィンド]の技は、瞬間的な加速や短期的な無敵化などとなっている。
どちらも再発動までのスパンは長く設定され、また持続時間も異様に短い。
しかしその分効果は絶大で、タイミングさえ合えば周囲の妨害を撥ね退けられる。
「えー、俺だとタイミングは合わせられないから、『SEBAS』からの合図を受けて発動させてくれ」
いちいち『SEBAS』→俺→[ラヴィンド]とやっていると、そこにズレが生じてしまう……それを前提にやってくれそうだが、俺が居ない方が情報伝達は確実だ。
そして、俺は俺で『SEBAS』の指示を受けて技を発動させる手筈。
負担が一人に掛かっているのだが、それはまあ……はい、いつもお世話になってます。
コースのカーブを曲がると、視界の先に見えてくるスタート地点兼ゴール地点。
参加者たちが雁首揃えて待ち構え、妨害系の技の発動を待っている。
《カウントダウンを──3、2、1、0》
『キュッ!!』
「ぐっ──“多重小壁”!」
カウントダウンの終了と共に、[ラヴィンド]が加速。
なんてことは無い──技名は“解放”、素のスペックを一瞬だけ使えるようにした。
固有種が、速度特化の個体がそれを使えるようになるだけで効果は絶大。
レベルアップにより動体視力が強化されている休人たち……でも捉えきれない速さ。
音速を超えた雷速、音を置き去りにした高い敏捷力でスタート地点を擦り抜ける。
ここで問題となるのは、設置型の条件起動式の技。
彼ら自身の意思に寄らない、だからこそ対象が来れば確実に発動するという代物。
先のスタートダッシュで、自分の対応が間に合わないと判断したからこそだろう。
そこで俺の“多重小壁”。
設置型の技は必ず発動自体はする──中に対象が入ってさえくれば。
『キュ、キュッ、キュイッ!』
防御のためではなく足場のため、体躯が小柄な[ラヴィンド]だからできたこと。
展開数は三つ、一つ目はスタート地点手前に、二つ目を上空、三つ目を着地予測地点。
一つ目で跳躍、その途中で上下逆さまに。
二つ目で墜落、蹴った勢いで地上へ。
三つ目で防御、背後から追ってくる技から[ラヴィンド]を護り先へと進ませる。
「よし、成功!」
『キュイキュイッ!』
「はいはい、風兎にも今のカッコイイシーンは良い感じに演出を加えて見せるからな」
当兎的にも大満足の動きだったらしい。
……じゃないとわざわざ反転する時、多めに回ったりしないよな。