第二回コラボイベント後篇 その29
第二回コラボイベント後篇 その29
擬似権能改め擬似異能『プログレス』と純正異能について考えてみたり。
……俺はほぼ関わりを持たないが、そういう世界は地球にもあるらしい。
そんなジャンル違いはともかく、俺がひたすら魔王役となっている休人の模倣ユニットたちと戦うのは情報収集のため。
条件付きとはいえ、俺を倒し得る力が無いかの確認。
使う技に制限を掛けているだろうが、使ってくる技からある程度推測可能……らしい。
「いやー、思いのほか多いな。権能とかじゃなくても意外とピンチになったな……ファンクエの魔王も魔法で追い詰めてきたし、そういう強化もあるのか」
《そうですね。【魔導勇者】の用いた魔導のように、限定的に世界を上書きするような手段がございます。『プログレス』が存在せずとも、権能持ちに匹敵する実力を発揮した、というデータもございますので》
「最上位職……ってことじゃなくてか?」
《はい。不確定ですが、少なくとも最上位職無しで戦闘系の権能持ちに勝利したと。冒険世界の原人だったそうです》
「…………初代『騎士王』でした、みたいなオチは?」
《ございません》
バグみたいな存在だったのかもしれない。
だがバグだろうがイレギュラーだろうが、存在しているのであれば警戒はしておいて損は無いだろう。
「死霊術士……じゃなくても死体を操ることができる能力持ちってのが居るからな。特にあの人……【傾界魔王】なんか、絶対いろいろ隠しているだろうし」
魂を操ることができる『ソウルマスター』の発現者、その擬似異能は魂の蘇生も可能。
……だがなぜ彼女にそれが与えられたか、それは渇望でもなく適性によるもの。
「【倣慢魔王】の『コピーマスター』が、当人の渇望に関係なく模倣の極まった才能の補助輪となったみたいに。もともと無くともできていたことに、拡張性を与えている……みたいなことなのかもしれないな」
《『プログレス』経由での解析ができないため、確実とは言えませんが。死天の試練後の行動から、それも可能なのでしょう》
「…… も ・ 、ねぇ」
《【傾界魔王】は星敵です。しかし、その権能を誰も把握できていません。いえ、各星々は把握していることでしょう……それぞれの世界で見せた、異なる権能を》
俺の『超越生者』の権能は、【傾界魔王】の助力もあってキャパシティ枠をいっさい用いずにアイテム化する形で発現できた。
それと同じこと、あるいは似たことができるならば。
彼女は複数の権能を確保し、自在に使いこなせることを意味する。
……面倒な人に目を付けられてしまったとは思う、だがそんなバグみたいな人だからこそ俺の行き詰っていた状況を打破できたとも同時に思うんだよな。