第二回コラボイベント後篇 その33
第二回コラボイベント後篇 その33
インベードガーディアンコラボ、その最終ステージに挑む。
参加者は俺──そしてアイスプルの住民、とにかく暴れたい魔物たちである。
「……ん?」
話には聞いていた。
最終ステージはこれまでとまったく違い、より『本物らしさ』を出していると。
しかし、最終ステージだからか伝わってくるのは情報のみ、[掲示板]にはそれ以上の詳細は出てこなかった……EHO関連のネタバレは、マザーが出張っているからな。
「これは……アイスプルなのか」
《偽装都市をほぼ再現していますね》
「なんでここなんだろう……いや、そういう配慮なのか」
一部イベントでの光景は、後に運営の公式動画として配信されることがある。
全プレイヤーがこれに同意してEHOを始めているので、これは拒否できない。
アバターの顔などは隠せても、身に着けたアイテムやその周囲の環境は開示される。
アイスプルの偽装都市は隠していない場所故に、選定された可能性が高い。
《所属している星を参照し、ステージを構築しているのでしょう。いくつか矛盾した情報が挙げられていましたが、これでしたか》
「アイスプルが出るのは、俺かいちおうあのクランの連中だけだしな。というか、複数の場合はどうなってたんだろう」
《その場合は単純に、所属者が居る星の中からランダムになるのでは?》
『……おい、これはどういうことだ?』
おっと、考察している間に風兎が住民を宥めてから確認に来ていた。
これまで同様、最初は準備期間……まだ説明の時間はある。
「──というわけで、かくかくしかじかだ」
『……『SEBAS』、説明してほしい』
《畏まりました》
俺からの説明をガン無視、『SEBAS』から分かりやすい説明を受ける風兎。
……特に思うところは無い、このやり取りも結構やっているからな。
《──ということになります》
『ふむ、つまりは偽物か……だが、それでも危ういな』
「ん?」
『ならばこうしよう──自由にしていいとのことだ!』
『『『『『『『『『♪』』』』』』』』』
風兎のその言葉は、遊びたいと感じていた住民たちの心に火を点けた。
これまでの検証から、フィールドは破壊可能ということは分かっている。
それ自体は風兎にも伝えていた。
最悪、暴れ足りないと不満を訴えた住民が居たら破壊行為に勤しんでもらおうと……でもまさか、始まる前に終わるとはな。
「せ、世界の終わり……!」
『ふん、これでアイスプルだとは思われ無いだろう』
「あー、どうだろうな。場所として、アイスプルだったみたいな説明はあるかもしれん」
『それでも、貴様ら休人が住み心地の良さを感じるあの都市を見せずに済む』
民ファーストな風兎にとって、もしもの可能性をもたらす休人の来訪は制限したい。
様々な事情で偽装都市に来ることは承知しているが、情報の流出は避けたいようだ。
まあ、運営の公式動画に出ればそれなりに盛り上がっていたことだろう。
……こっちの荒廃しつつある光景も、それはそれで需要がありそうだけどな。