第二回コラボイベント後篇 その36
第二回コラボイベント後篇 その36
多種多様な進化を遂げたアイスプルの魔物たち、だがそこには共通点がある。
形は違えど、その根幹には風兎が……彼に対する想いが存在した。
なんてことをしみじみと考えている間も、上空での(過剰)防衛戦は過激なものに。
攻撃は最大の防御、というか防御:0.1の攻撃:9.9な皆様による大暴れだ。
「まあ、闘技領域以外だと制限を課しているもんな……風兎の言いつけには基本的に逆らわないし、フラストレーション的なものが実は溜まっていたりして」
アイスプルに存在する闘技領域、そこで死亡した場合のみあるシステムが働かない。
住民たちは死ぬと蘇生不可やら弱体化してしまうため、闘技領域でのみ暴れていた。
……が、まったく同じ環境で同じような連中と戦い続ける。
それはそれでよかったのかもしれないが、やはり新鮮味に欠けていたのだろう。
だからこそ、上空で繰り広げられる戦いでは活き活きと暴れている。
今回は風兎のお許しも出ているから、全力全開で力を振るうことができるのだ。
「しかしまあ、本格的にやることが無い……思いのほか押し切れそうな気もしてきた」
《いえ、現状の進行度はまだ数%ほど、油断はできません》
「……あれだけ壊してもか?」
《どうやら即席で船を生み出す、また改修する機能があるようですね。墜落した船を即座に転移と思わしき技術で回収し、破損痕が一致する船を何隻が再出撃させている映像がドローンに残っています》
……なんともまあ、面倒臭いことを。
倒しても倒しても、その回収して直す一連の動きを妨害できないと復活してくると。
とはいえ、システム的に妨害不可というわけでもないだろう。
それを可能とする船がどこかに居て、その破壊さえできれば何とかなる……みたいな。
「風兎にこの情報を」
《畏まりました──……『ある程度満足したら行わせる』、とのことです》
「くっ、住民ファースト兎めっ!」
何も悪いことは無いのだが、まあちょっとふざけて悪態を吐いておく。
ただ、少しだけ嫌な予感がするんだよ……主にゲーム的アレの反映。
インベードガーディアンにおいて、最初の敵は一発当てただけで即座に倒せた。
だがステージを重ねていくと、複数回当てないとダメになっていく。
果たしてそれは強化されたからなのか、あるいは材質の問題なのか。
それとも……こちらの解析が進み、対策が講じられたからなのか。
「──って感じになりそう。これまでEHO版に、船の修理って仕様が無かったのが怖いくらいだし」
《……おそらくですが、後半までこの最終ステージが先延ばしになったのはこれが原因でしょう》
「えーっと、対策ってことか?」
《はい。休人たちの行動[ログ]を集め、最低限必要な情報を収集。それを活かし、反映させたのがこの最終ステージかと》
そして、この会話が意味するところはすぐに判明する。
風兎から、だんだんと住民たちの攻撃が通りづらくなっているとの報告が入ったのだ。