第二回コラボイベントその後 その15
第二回コラボイベントその後 その15
他者の『プログレス』を使用する、その万能性ゆえに生じる出力不足というデメリットが存在しないイレギュラー──それこそがお馴染みの【倣慢魔王】。
そんな特級の例外を除き、模倣系には何らかの制限が存在しており、ある意味管理者としてそれに近しいことをしている俺たちも同様だった。
改善するためにはリソース増大、『プログレス』でいうところのレベルアップが必要となる……現状でできることはやり尽くしており、外部からナニカを得なければならない。
《旦那様、棺の中身が発覚しました》
「おっ、分かったのか」
イベント終了から数日後、長く続いていた棺の解析が一部終わったようだ。
完全に、ではなくあくまでも中身の確認を急いだ結果。
これから開封方法や製造方法などを調べていくことになるのだが……その前に、中身がどういったものなのか知る必要があった。
「そもそも棺だし……正解は?」
《はい──仮死状態の少女です》
「…………生きてるのか?」
《正しい方法で開封できれば。現在、解析中ですが……やはり理が異なるため、簡単には進んでおりません》
やはり、創作物にありがちなパターンか。
なぜそれが『賽祈箱』から出てきたのかは不明だが、眠っていた存在から始まる物語など定番だと思います。
そんな当てずっぽうな推理とも言えないメタ読みが正解、少女が中で眠っていた。
……仮死状態を維持できる、これが確立しているだけでも高い技術のあった世界だ。
「しかし、このパターン……まさか、鍵の娘だったりするのか?」
《どうやら、そうではないようです。内部の解析が完全では無いため不確定ではありますが、どうやら鍵の少女たちとは異なる波長を有しているようなのです》
レムリア世界の技術によって、霊魂などを波長によって調べることができる。
それによって判明したのは、俺が懸念していた存在かどうか。
鍵の娘──それは文字通り鍵として、他の世界と自世界を繋ぐ少女の姿をした存在。
少し前のイベントでも、休人の前にムー世界の鍵となる少女が現れている。
……そう、つまり多くの者がその存在を知覚してしまっている。
これまでは何だかんだ、秘匿し独占する者が多かった少女たちのことを、だ。
まあ、箱庭だったり未知の世界だったり、特殊な環境はたくさん存在する。
……が少女たちが繋ぐ先──遺失世界ってのは、いろいろと宝の山なんだよな。
「少なくともアイスプルとか滅亡世界みたいに、復興しないとダメってことは無いし。知的生命体が何かしらの文明を持っていて、そこから何か得られるモノがある……そりゃあ求めるよな、誰でも」
俺は遭遇したことが無いが、鍵となる少女が居なくとも行ける世界はあるらしい。
そういう場所を独占した休人たちは、何かしら先行者特典としてそれらを得られる。
とまあ、ここまで語ったものの違うというのだから関係のない話か。
…………さすがに不味いかな、とか思っていたりするんだよ。