神様談(34)
神様談(34)
「──来たね、この時が」
真っ白な空間、そこに集う者たち。
彼らは人とは異なる、しかし人と同じ姿を持つより高次元の存在──神族。
そんな彼らではあったが、人に信仰され人と共に生きた経験を持ち……人の持つ文明や文化に関心を持つ者も居る。
──そしてその中には、傾倒する者も。
「! 来た!」
その日、真っ白な空間にどこからともなく大量のアイテムが現れた。
それは先日休人たちの間で行われた、コラボイベントの景品の数々。
彼ら失名神話を信仰する男、ツクルによって捧げられた品々。
神々はその捧げられたアイテムを──誰よりも速く手にするため、ここに集っていた。
中でも、失名神話の主神にして創造神■■■は特に張り切っている。
創造を御業とする■■■にとって、人の生み出した品はすべてが関心の対象だからだ。
「──ッ、これは……!」
「……■■■、一つ問おう。貴様、どう分けるつもりだった?」
「ツクル君は失名神話の神々に、って言ってたじゃないか。つまり、これは全員に受け取る資格がある……つまり、主神である僕が総取りってことだね」
だが、■■■は宣言通りの行動を取る以前に、その身を縛り上げられていた。
主神だから、と一種の独占主義的宣言を放つ……が、それを誰も聞き入れない。
「◇◇◇◇……頼めるか」
「お任せください……もちろん、例の物はお願いします」
「ああ、任せろ」
「では──スタートです!」
空間に響き渡る炸裂音。
それと同時に、神々は挙って捧げものに飛びつき──奪い合う。
なお、音の発生源は■■■であり、◇◇◇◇の持つハリセンからなのだが……神々は誰一人としてそちらに気を取られることなく、争奪戦を始めた。
「酷い……僕が主神なのに」
「であれば、相応の振る舞いを見せていただきたいものです」
「……本当に?」
「…………」
「……なんてね、冗談だよ。うーん、ツクル君もまさかここまで激しいことになっているとは、思ってもいないよね。結構無理をさせているみたいだし、だからこそみんなもアレで納得しているんだけど」
その言葉に籠められた意味を理解しているからこそ、◇◇◇◇は返答できない。
かつての最強神話、ありとあらゆる神話における頂点こそが■■■。
少なくとも、彼が本気で言った内容であれば神々は逆らうことなく指示を行動に移す。
──それこそ、死ねという命であっても、迷うことなく自ら命を落とすだろう。
「ところで、◇◇◇◇は何がお目当てだったのかな?」
「その……モンスター&パズルのポスターを一式」
「…………結構あったよね?」
「それに見合うだけの仕事、ということですので。こっそり拘束を外そうとしているようですが、それは許しませんよ」
「えー、ちょっとぐらい……あっはい、ダメみたいだね」
確実にお目当ての品を手に入れるため、主神であってもひっぱたく。
その覚悟を目で示す彼女に、■■■もペースを落とすのだった。