身内観光 その02
身内観光 その02
家族に加え、ショウのパーティーメンバーと……あとタクマを招いたアイスプル。
今まで様々な情報を伝えていたが、そのうえで隠していた情報を教えて──殴られた。
「……イテテ。いやぁ、まさかそんなネタアイテムがあるとは」
痛覚0かつ擬似的にノーダメで凌げると考えていたのに、タクマが放った一撃は俺に痛みを感じさせた──その秘密は、運営が用意したネタアイテムだった。
休人ごとに生じるスペック差、中でも痛いのが嫌で極振りするような人にはダメージがほとんど発生しない。
基本的にステータスは無意識の内に制御され、日常において高過ぎる数値がもたらす恩恵は反映されない……が、種族スペックについては別。
たとえば皮膚が鋼のような種族、あるいは物理無効の霊体的な種族。
そんな種族についた休人とも、普段通りのやり取りをするためのジョークグッズ。
「それ、どうやって手に入れたんだ?」
「クエストを何個かやってると貰えるぞ。ただし、複数の種族で組んで」
「…………俺には無理そうだな」
別に、俺に頼れる冒険仲間が居ないとかそういうことじゃない……うん、マジで。
単純な話、ギルドでの依頼を受けることが基本的にできないからだ。
その点については割り切っているし、それ以上のメリットを享受している。
……それはそれとして、いいなぁと思うところはあるんだけどな。
「いや、お前なら自作でいいだろ」
「作るってなると、やっぱり耐久度が付き物だしな……お前のそれは無いみたいだし。マジでどうなってるんだよ」
「ダメージは無いけど、誰に対しても叩いた衝撃だけは伝わる仕様だ。ただ、安全な場所でしか使えない制限付き。同じシリーズで触れるだけ、ってのもあるぞ」
「使い方次第でいろいろとできそうだな」
「そういうのも検証されているけど、だいたい失敗してるぞ。妨害とかの嫌がらせに使えそうだし、その辺は考えられているらしい」
たしか、神聖術式“小幸”もそんな条件があったっけ。
日常における些細な幸せ、だからこそ非日常的動作の最中は機能しなくなる……的な。
そうした何かしらの条件があるからこそ機能するもの、というアイテムや能力は多い。
ステータス無視、なんてことができるアイテムもそれと同類なわけだ。
なお、俺が失名神話の神々に求められて創造したハリセンにそういった仕様は無い。
……がそもそもとして、失名神話に属する神々にしか使えず効果が無い制限付きだ。
それこそ身内同士でのやり取り限定、という条件があるからこそなのだろう。
加えて、:DIY:を交えないと創造不可だったし……とんでもアイテムだったのだ。