身内観光 その03
身内観光 その03
無くてもいいが、あったら便利なアイテムの存在を知った……ただし、パーティー行動前提的な交流用の。
なお休人にしか使えない仕様なんだとか。
見分けること自体は可視化しておけば、頭上にマーカーなんかを浮かべてできるので、問題ないのだろう……悪用はお仕置きだぞ。
「…………さて、どうするか」
こう、様子を見に行くというのも悪くは無いのだが……無粋な気がしてならない。
ショウとそのお友達は言うまでも無く、マイもモフモフたちとどこかで戯れている。
ルリは……止められなかったのでこれ以上何もできないし、タクマは……さっきまでのやり取りで充分だ。
「やることが……やることが無さ過ぎる!」
今回のツアー企画者として予定などは準備しているが、それもすべて事前にできた。
後は見ているだけ……それがここまで暇になるとは、タクマもどっかに行ったし。
「くっ、仕方ない……『SEBAS』!」
《準備はすでに》
「よし、それじゃあ投影してくれ」
今回、思い出作りの一環としてドローンが飛んでいることは事前に通達済み。
……まあ、目に見えるヤツだけでなくステルス仕様があることは言ってないけど。
あとでアルバムみたいな感じでそれぞれに送ることになっているが、それ以外の用途で使わないとは言っていない! ……主に俺が観る感じ。
《プライバシーの観点から音声などはございません、また一部区画でも映像に加工が入ることを予めご了承ください》
「分かってる分かってる……じゃあドン!」
網膜に映し出されるどこかの光景、それは辺りを俯瞰するように飛んでいたドローンが撮影しているもの。
では、それがいったいどこなのか──見渡す限り一面の水。
そして、そこではしゃぐ少女たち……どうやら湖に向かったショウたちのようだ。
「あそこは……まあ、大丈夫か」
一部創作物であれば、ここで魔物か何かが出てきてトラブルに……なんてことがありそうだが、そういう心配は無用。
いやまあたしかに、そういうことができる魔物は居るし湖に住んでいるけども。
風兎がその辺は厳命し、大人しくしているように言っていた。
なのでそれこそ、刺激するような何かが起きない限りは……あっ、ルリが何かしてる。
彼女の先ではじれったいショウと女の子、ルリがそこに向けて何か呟いていた。
「なあ、『SEBAS』。あの湖の所の子はどうなると興奮状態になるんだっけ?」
《はい。濃密な魔力液、それこそ旦那様の御作りになられるポーションの原液を湖に流されるとそのような状態に》
「…………なんか一瞬、ドローンに変な物が移り込んでいた気がするんだが。アレはいったい何だったんだ?」
《映像解析の結果、旦那様のポーション原液であることが判明しました。どうやら、魔物同士でじゃれ合いを行った後、風兎が使おうとしたところでトラブルが発生、奇跡的な確率でポーションが湖の方へ飛んだようです》
「…………ショウ、すまん」
そして、想定していなかった──ある種想定していた──自体が起きる。
興奮状態になった魔物が動き出し──大量の触手が湖から現れだしたのだ。