身内観光 その05
身内観光 その05
藻の魔物が原液で興奮状態、フル稼働した『プログレス』で大パニック。
奇跡的な確率で苦戦していたショウたち、最後は助っ兎によって無事鎮静化した。
「……言いたいこと、分かる?」
「はーい、ごめんなさーい」
「…………」
「……すみませんでした。あとで子供たちにもちゃんと言います」
「よろしい」
場所は上空、お気に入りのスポット。
ルリを同意の下転移させ、ここでお説教を行った。
彼女にとって世界は都合よく動く。
しっかり管理していたはずのポーション、それが奇跡的な確率で湖の中に飛んでくることなど、それこそ天文的な確率だ。
だが、望んだことが起きたからといって、それが望んだ通りの結果になるわけではないのだ……特に、人が絡む事象は。
「今回、どうなったらいいと思ったんだ?」
「……その、ショウがもっとあの娘たちと仲良くなったらって……」
「余計なお世話じゃないか。少し縮まったかもしれないけど、そうじゃなくても勝手にそうなってただろうし……」
「そうね、アナタと私の子供だもん」
俺はともかく、ルリの運を引き継いでいる子供たちだからな。
ショウ、そしてマイも形は違えどトラブルに巻き込まれやすい。
EHOでもその辺は変わらないからこそ、パーティーメンバーはあんな感じだし。
……がそこに親が関わってくるのは、さすがに子供たちも嫌だろう。
「嬉し恥ずかしのラブコメイベントなら大歓迎だと思ったんだけど……アナタなら分かってくれるわよね?」
「……分かるぞ。でも、あくまで創作物として見たら、の話だから。現実でそれができるからって、やったら犯罪だろ? みたいなことが多いじゃないか」
ダークな感じの作品は言うまでも無く、ラブコメですらトラブルで犯罪が成立するようなことばかり……フィクションです、と言い切れるからこそなのだ。
ルリの場合、それが本当にあるからな。
……あの連中みたいな奴らが居ることを考えると、マジで漫画みたいな出来事が地球でも起きているのでは? と思うことがある。
が、俺もショウやマイにそういったトラブルを意図的に起こしてほしいわけじゃない。
たとえ何かの主人公だとしても、間違いなく俺とルリの子供なのだ。
親として、子供たちが自立するまでは悪影響になることから子供たちを守りたい。
……ラブコメ展開が見たいからと、謎のパワーを送り込む母親からもである。
「あとマリモリ……湖の中に居た子にも謝ってあげてほしい。いっしょに行くから」
「……そうね。誠心誠意謝るわ」
「…………そして?」
「あの子には光る才能があるわ! それをまずは伸ばし──痛いっ!」
反省はしたのだろう、だが後悔はしていない……目をキラキラと輝かせ、マリモリに何かを仕込もうとしているルリの頭に拳骨を落とす。
ダメージは『貧弱な武力』と『闘匠』で起きているが、ATK1なので痛みなど無い。
過剰なリアクションは自覚があるからこそだろう……うん、もうちょい反省しようか。