身内観光 その10
身内観光 その10
枝型のアイテム、それは魔獣由来の素材で作られたシャボン玉生成グッズ。
水中生物が地上に、地上の生物が水中で活動できるような代物だ。
アイスプルは多種多様な魔物が居り、その活動範囲もそれぞれとなっている。
進化の果てに、これまで仲良かった者たちが離れ離れに……なんてことも。
「まあ、だいたい風兎が招集すれば全員集合するけど。それはそれとして、自分たちで好きなタイミングで会えるようにしておくってのは、いいアイデアだと思うだろう?」
『だが、魔獣由来のアイテムなのだろう? リスクがあるのではないか?』
「クローンの方を使っているから……まあ、大丈夫なんじゃないか? 浄化とかをしちゃうと性能が下がっちゃうからしてないけど、そもそも使うのがここの住民なら、問題ないはずだ」
固有種の連中は言うまでも無く、他の奴らも同様に実力を有している。
もともとはそうではなかった、最初に居た場所は休人始まりの地のすぐ近くだし。
だがアイスプルに来て、様々な経験を経た結果として強くなった。
……闘技領域も無かった時代、蘇生薬が多く活躍していたんだよ。
そんなこんなでレベルがガンガン上がり、特異な個体が固有種として選ばれたり。
そうじゃない個体も、様々な要因で強さを得ている──魔獣の残滓も何もできないさ。
「とりあえず、希望者には配ってみよう。水中で遊びたい地上の魔物、その逆なんかは可能なわけだし。風兎、あとで連絡をしてくれると助かる」
『リスクもきちんと伝えるからな……見た限り植物系の魔獣か』
「そりゃあまあ、枝だしな。たしか、同系統の魔物は影響を受けやすいんだっけ?」
『そうだ。イベントで現れた、と言っていた魔獣か』
「そうそう、ほらあの頑張って取ってきた枝があった場所の魔獣だ。そりゃあもう必死になって逃げたんだが、カンカンに怒っていた気がするから交渉は不可能なんだよ」
『自業自得……だが、あの枝のお陰で神々はお喜びであったな。あまり強くは言えんか』
特殊耐久イベントの際、植物の魔獣が創り上げた領域に潜り込み手に入れた絵だ。
それがまあ神・世界樹に多大な影響をもたらし、神域が強化されたんだっけ?
「だからまあ、アレだ……仮に目覚めたとしても、神・世界樹に行くか俺に復讐するかのどっちかだと思うんだよ。世界樹は……自衛とかするだろうし、俺も俺で何とかする。だから大丈夫なんじゃないか?」
『……エンキも居ることだ、そういうことにしておいてやろう』
純アイスプル出身の星獣──エンキ。
後天的に星獣へと昇進した風兎と違い、まだまだ未熟な産まれたて……の割にはかなりレベルが高いが、いちおうそんな感じ。
もしも魔獣に関するアレやコレらでトラブルが起きれば、その対処を任せてみてもいいかもしれない。
もちろん、何も起きないのが一番だ。
そのためのクローン魔獣だし、生産過程における様々な対策や処置だからな。