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身内観光 その14

転生して進化したら最強になって無双します — novelba.com · All chapters

身内観光 その14

アイスプル 神・世界樹

現在、『AAA』の面々や出向していた関連(非合法)クラン『CCC』の休人たちが挑戦中の迷宮『残街フォログラム』。

発生原因も存在理由も、そのコンセプトも根幹的な部分がまったく分からない迷宮について、知っているかもしれないお方の下へ俺は向かった。

「──ということでして、何かご存じないでしょうか?」

そこには誰も居ない。

だが俺はそこにある物に向けて語りかけている……気が狂ったわけではない、有るのは聖職者のような敬う心だろうか。

「…………返事が無い。なるほど、つまり報酬が無いからですね」

俯いていた顔を上げれば、そこには俺が手ずから彫り上げた神像たち。

聖職者が絶対に言わないであろう発言をしながら、[インベントリ]を操作する。

「では、こちらを──アイスプルの住民たちと祈りを捧げながら作った、果実酒です」

神族は基本的に万能だ。

物質創造から天地開闢まで、やろうと思えばなんだってできる……のだが、それには生物が生み出す信仰心を糧としている。

なのでどれだけ食べ物であっても、どれだけ美味いのかよりはどれだけ想いが籠っているのかが重要になる……それはそれとして、味も最低限は必要らしいけども。

今回用意した果実酒は、失名神話に感謝している魔物たちと共に作った代物。

全員が全員そうじゃない(だいたい風兎)ため、メンバーを厳選している。

そんな彼らの祈りを、いちおうだが失名神話の【使徒】である俺の手作り果実酒。

それを神像の前に並べると──酒は消え、代わりに紙が一枚そこに置かれた。

「……ありがとうございます。拝見させていただきます」

中身を見る前にまず感謝を述べる。

普通、神様が一信者の問いかけに応えることは無い……それが【聖女】やら【開祖】、【教皇】などであればともかく。

俺の就く【使徒】はその類いではない。

それでも応えてくれるのは、単に失名神話の神々が人に寄り添う優しさを持ち合わせているから……そのことに最大限感謝せねば。

そして、祈りを捧げてから紙を回収──すぐに[インベントリ]へ仕舞う。

…………ちょっとやってみたかったんだ、いつもその場で読むと消滅するし。

収納した本や文書などを、スキャンして見やすくしてくれる[インベントリ]機能。

時間を停められるこの中なら、紙を残しておける……そう思いながら、閲覧を──

「…………すみませんでした」

改めて、先ほどの焼き直し。

再びの果実酒……の上位版、:DIY:パワーで品質を進化もとい神化させたいわゆる神酒を並べる。

再び酒が消え、紙が現れた。

ただし今度は置かれるのではなく、ひらひらと落ちてくるパターン──俺の頭に乗った後、ゆっくりと床へ落ちる。

《旦那様……》

「その行為自体はいいけど、あんまり神気の籠ったアイテムを残しておくわけにはいかないらしい……つまりは俺のためだったよ」

これまで俺は『超越者』やら『星敵』という立場から、いろいろと狙われてきた。

しかしながら、失名神話の信奉者だからという理由で狙われたことは一度も無い。

それもこれも、神々の方できちんと対処してくれていたからだったのだ。

……本当に申し訳ない、あとで追加も用意しておきます。