身内観光 その15
身内観光 その15
神像に果実酒と神酒を捧げ、迷宮に関する情報を貰うことに。
……信者に寄り添ってくれる、とても寛大な神様たちである。
「はい、というわけでお集まりの皆様。今回お呼びしたのは他でもありません。新たに登場した迷宮、『残街フォログラム』についてご連絡するためです」
身内扱いの面々を集めての説明回。
全員行っていたことを切り上げて、わざわざ来てくれていた……それをする必要性があると、判断したからだ。
「……マジかよ」
「ええ、マジです。ショウたちが挑戦していた日々改築を繰り返している迷宮とはまったくの別物、どうやらかなり特殊な仕様となっているようです」
「増築? 今増築って……」
先ほどから何かと突っ込んでくる友人のことは置いておくとして、今は家族やショウのパーティーメンバーへの説明をきちんと行っておこう。
創造神様にお伺いをした際、渡された二枚目の紙にある程度の情報が載っている。
それに加え、『AAA&CCC』で調査した情報を『SEBAS』が纏めてくれた。
「まずは迷宮自体について、一パーティー単位でしか潜ることができません。たとえ先んじてレイドを組んでいても、迷宮に入った時点で解消されます。逆に言えば、パーティーは解散されず同じ場所に入るようです」
「構造は?」
「先遣を務めてくれた有志の方々によると、一階層目は人型のシルエットが現れるフィールド系のようです。迷宮の名前に含まれている街、と呼べるものは発見されていません」
アレから調査も進み、こういった事例が発見されたりされていなかったり。
なお、二階層は未だ見つからず……こちらについては、創造神様から情報が貰えた。
「人型の正体はこの世界に元居た誰か、その影法師となっているようです。対話は不可、あくまで過去の行動をそのままなぞっているようです」
「魔物の扱いってことでいいのか?」
「そうですね、鑑定では魔物として表示されるようです。強さに合わせた魔石を落とします、こちらについては討伐した方がそのままお持ち帰りいただいてください」
「……で、どうすればいいんだ? その言い方だと、迷宮の鎮静化はまた別の方法ってことなんだろう?」
タクマが率先して聞いてくることで、他の者たちがいつでも質問できるようにしてくれている……まあそれとは別に、こいつ自身が情報を求めているということもあるが。
的確に、特にショウのパーティーメンバーが求めている情報を俺から聞き出すことで、現状維持でタクマと俺で質疑応答をする……という流れを作っていた。
「結論から申しましょう。迷宮の鎮静化、そのために必要なこと。それは──適切な方法で影法師とやり取りを行う、です」
これができていないからこそ、次のステップに進めてはいない。
頑張っている彼らには申し訳ないが……倒すだけでは、いけないのだ。