身内観光 その17
身内観光 その17
迷宮の一階層目を突破するためには、泡沫世界の住民の残影を超えなければならない。
ただし、彼らの元居た世界の分野を得意とする者が、条件を満たす必要がある。
……こういった情報だが、まだ大陸の方で攻略に挑む『AAA』(及び『CCC』)の面々にはまだ何も教えていない。
もちろんながら考えがあってのこと。
俺としてはほぼ確実な情報源なのだが、間違っていた時のリスクなどもある……あと単純に、せっかくなら──
「皆さんには、迷宮に挑戦してもらいたい。一階層目であれば、先にご説明した通りの仕様なので危険はあまりございません」
「おい、ならその少しはある危険ってのはどういうものなんだ?」
「……泡沫世界は多種多様なため、そもそも常識がまったく異なる場所があります。たとえ適性があっても、そこに皆さんが馴染めるかは、また別の話なんですよね」
国、いや土地が違っていればそこに根付く文化も異なる。
それが星レベルとなれば、当然……確立世界が基本同じなのは、 システム せいごうせい があるから。
しかし泡沫世界は確立世界で言うところの箱庭同様、少々異なる理で動いている。
……そりゃあもう、生きていくための要素そのものがまったく違うわけだ。
「とはいえ、それを使ってしまうとそもそも迷宮自体の危険性やらを度外視することになるので置いておきましょう。重要なのは、そこから得られるモノ……です」
「まあ、たしかに……もう存在しないってことは、その分だけ知られていないってことなわけだしな」
「どうやら、条件を突破し二階層に到達すればイイことがあるようです……が、その内容については私も分かりません。何せ、現状は誰一人突破できていないのですから」
ここは創造神様も教えてくれていない。
これまで語ったことはそのまま、手紙に書き記してくれてあった内容だ……本当にあったみたいだな、グルメな世界。
他の泡沫世界に関する情報も、多少は載っていたりする……が、すべてではない。
その辺は自分で確かめてほしいとのこと、まあ全部を俺独りで担当するのは無理だ。
「少し話が逸れましたね……戻しましょう。迷宮ですが、こことは異なる離れ大陸──偽装都市の近くに出現しました。本来ならば、そこへ向かわねばなりませんが…………何とかなりました」
「……なんとか?」
「仕様がよかったのでしょう。迷宮から入ればパーティー以外は別となる。中で遭遇することもありません……つまり、どこから入ろうとも実質的には変わらないわけです」
ここで指を鳴らす、すると『SEBAS』がドローンを動かしある場所を撮影。
それは本土、今俺たちのいる場所──何も無かったそこに洞窟が現れた。
「はい、あの場所にもう一つの通路を造りました。行き先は同じ『残街フォログラム』、さぁ攻略を始めましょう!」
そんなこんなで、俺たちの迷宮攻略が始まるのだった。